アポカリプト

(2006年 / アメリカ)

中央アメリカの密林地帯の奥深く、集落を作り集団生活を営む狩猟部族がいた。「豹の拳」の名を持つ青年、ジャガー・パウは誇り高き“狩人”の血筋を継ぐ優秀なハンター。彼は仲間とともに巧妙な罠と強靭な肉体で獲物を捕らえ、部族の生活を日々養っていた。

謎の文明は解明されるべきか

apocalypto

「マヤ文明」と聞いてピクリと反応する人は、おそらく専門家かオカルト愛好家くらいしかいないのではないかと思います。マヤ文明は、紀元前から16世紀にかけて、メキシコ・グアテマラ・ベリーズ・ホンジュラス・エルサルバドルにまたがる「中米」に成立。低地地帯に一種の宗教的都市形成が生じ、巨大なピラミッド型の大神殿や礼祭場、裁判所、市場などが建造されたそうです。たしか、世界史の教科書に出てきた記憶はあるのですが、僕が知ってるのはマヤ文明という単語だけ。いやいや、調べてみたところ、考古学者たちでさえ詳しいことはわかっていないというから、まさにミステリーではないですか。とすると、マヤ文明に最も詳しいのは、オカルト愛好家だけ? ますます信憑性が薄らいでいく感じですね。

では、なぜ考古学者の間でマヤ文明に通暁している人がいないのか。その理由は、中米一帯は、 熱帯性多雨気候という発掘不向きの場所のうえに、昔から政府軍とゲリラによる内戦が続いていたので、研究が思うように進んでいないとのこと。そうすると、かつてマヤ文明が栄えた地域一帯が平和になれば、これまでの謎もつまびらかになっていくのでしょうけど、そうすると今度はオカルト愛好家から、俺たちの夢を壊すなといったクレームが飛んでくるのではないでしょうか。おそらく、愛好家の中でも最右翼の人たちだけとは思いますが。

それでは視点を変えて、マヤ文明が「謎の文明」と呼ばれる所以について調べてみましょう。まずは上述したように、マヤ文明がどのように誕生し、熱帯ジャングルの中で栄え、なぜ繁栄の絶頂で突然この地上から消え失せてしまったのかは、いまもってわからないということ。で、次のが重要なのですが、古代マヤ人たちが高等数学と高度な天文学によって作り上げた暦(マヤ・カレンダー)を使って「予言のテクノロジー」を操っていたこと。しかも、それは世界四大文明をも凌駕する科学水準だったというから驚きです。

そのマヤ・カレンダーで、地球が滅亡するとして、2012年12月23日が予言されていました。なんかそう言えば、一部メディアで取り上げられてた記憶がありましたが、何もありませんでしたね。で、その後、マヤ暦にうるう年計算していなかったということで、新たに発表されたのが2015年9月3日。ま、その日に何か重大な事件が起きたという記憶はありません。なんか、ムー大陸と同じような胡散臭さを感じてしまうのは、僕だけではないだろうけど、実際に存在した文明なので、是非とも中米の当該地区を非武装化して研究が進めば良いと思います。

さて、この映画ですが、マヤ文明の時代を背景にした作品ではありますが、肝心のマヤ文明に直接触れたものではありません。あくまでもロケーションがマヤだっただけであり、マヤ文明の象徴的な建造物が出てくる以外は、完全なフィクションと捉えたほうが良いです。マヤ文明のアイコンとも言えるピラミッドは、その用途は王墓だったのか天体観測用だったのかはっきりはしていないものの、映画では処刑台になってしまっているし(実際そうだったかもしれませんが)、マヤ文明自体、原住民を捉えてきて奴隷にしたり虐殺したりする野蛮な文明として描かれてしまっています。ま、謎の文明なだけに、どこまでがフィクションなのか、あるいはどの点がリアルに近いのかの判別はつかないので、これはもう完全にエンターテインメントとして観るべきであり、少なくともオカルト愛好家を満足させる内容にはなっていないです。

それにしても、劇中で一貫して使われていた言語はマヤ語なんだそうです。ユカタン半島を中心とした地域で話されている言語ということで、マヤ文明のあった場所とほぼ一致します。歴史の謎は言語の面から紐解くこともできるだけに、謎の文明を解明させる糸口となればいいですね。ただ、文明の謎が明らかになって、人類滅亡の日が正確な研究のもとで判明したとしたら、これはもう笑っていられないでしょうけど。


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