作成者別アーカイブ: 牧村蓋世

ひつじ村の兄弟

ひつじ村の兄弟

アイスランドの田舎村で牧羊を営むグミー(主人公・弟)とキディー(兄)は互いにすぐ近くのところで暮らしているにも関わらず、まったくの疎遠状態で協力して事に当たるということをしません。無言の牽制をし合っている感じで、一方が頭抜ければ他方が妬んで足を引っ張ろうとします。憎しみ合っているわけではありませんが、本当は赤の他人になりたいのに、血縁という外すに外せない足かせが無用に関係を煩わしくさせているといっ...[続きを読む]

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち

アイヒマンショー

アドルフ・アイヒマン。ナチス・ドイツの親衛隊幹部として、主にユダヤ人からなる数百万の人々を強制収容所に移送する指揮的役割を担った人物です。オーストリアでの少年時代は顔立ちがユダヤ人に似ていたことから、ユダヤ人の友だちが多かったそうですが、ヒトラーの演説を聞いて考えが一変。「総統の演説を聞いてから、自分はドイツ民族の敵であるユダヤ人と仲良くしていたことに腹が立った」とし、ユダヤ人に対する感情を燃やし...[続きを読む]

ミリオンダラー・ベイビー

ミリオンダラー・ベイビー

誰しも、夢や恋やあこがれは抱くものですが、到底乗り越えられそうにない壁に突き当たったら、どうすればいいか大きな選択を迫られることになります。諦め時が肝心と言って気持ちを切り替えて別の目的を探す人もいれば、いやここで踏ん張らないと運命を切り拓くことはできないと根性論をぶつ人もいるでしょう。考えたかは人それぞれなので、どちらが正解かなんて答えがあるはずがありません。でも、ドラマやアニメなどでは圧倒的に...[続きを読む]

エスター

エスター

この人は絶対にそういうことをしなさそうなのに平気な顔をしてやってのけてしまったり、常識では考えられないことをいつの間にか信じ込まれされていることに気づくと、誰だってとてつもない恐怖に襲われると思います。大どんでん返し系のサスペンス映画ではたいていそうしたクライマックスが用意されているもの。犯人は心の底から信頼していたパートナーとだったとか、実は自分は死んでいるのに普通に現世で生活していたとか、ハッ...[続きを読む]

カミーユ、恋はふたたび

カミーユ、恋はふたたび

過去に戻ってやり直すことが一度だけできるとしたら、多くの人が「恋愛」関係のシチュエーションを選択することと思います。その理由は単純で、恋愛の失敗がその人に与える影響がとてつもない悔恨を伴うものであるとともに、そのあまりの失落感からまたやり直そうと思う気力すら奪われてしまうものであるからで、タイムスリップという人知の及ばない方法しかないと考えるからです。失恋したら気持ちを入れ替えて前を向こうなんて模...[続きを読む]

靴職人と魔法のミシン

靴職人と魔法のミシン

僕はこれまでずっと職場が服装自由だということもあり、普段でも仕事に行くのも服装はカジュアルです(適当という意味のカジュアル)。したがって、靴はそれに合わせる形で、カジュアルな定番系のスニーカー。履くたびに靴紐を結くのが好きでないので、靴べらをかませるだけで履けるものに限ります。スニーカーといってもいろいろありますが、コンバースやオールスターのは持っておらずニューバランスオンリーです。メーカーが好き...[続きを読む]

シャッター アイランド

シャッターアイランド

精神科が設置されている病院には、閉鎖病棟あるいは隔離病棟と呼ばれる病棟があります。任意入院のそれとは構造が異なり、文字通り出入り口が施錠され、自由に出入りできない病棟のことです。そこに入院するのは、急性期の精神疾患で興奮のために不穏、多動、暴力といった行為が認められる患者。具体的には、自傷や自殺の恐れがある、本人が意識しない自傷的な行為がある(自傷行為や自殺念慮)、他傷の恐れがある(急性期の統合失...[続きを読む]

王になった男

王になった男

男と女が入れ替わったり、貧しい家の娘が王子から求婚されたり、動物が人間の魂を取って代わったり、現実ではあり得ない逆転現象というのはしばしば漫画やドラマの題材にされますね。この映画もその類だろうと高をくくり、いろいろ調べてみると、設定自体は創作だったということよりもっと興味深い事実が浮かび上がってきました。それは、本作の主人公光海君という人物は朝鮮朝の王における「暴君」のうちのひとりだということ。た...[続きを読む]

パディントン

パディントン

パディントンに限らないのですが、クマという動物は可愛らしくて愛嬌のあるキャラクターとして描かれることが多いように思います。ミッキーマウスやトムとジェリーなどのように、あちこち動き回ったりピョンピョン飛び回っているのではなく、どこかのんびりキョトンとしている感じ。検索してみると、くまのプーさんをはじめ、リラックマ、ファーファ、ブラウン(LINE)、モモとコモモ(ソネット)、くまモンなど、すでにお馴染...[続きを読む]

25年目の弦楽四重奏

25年目の弦楽四重奏

日本にいるときはクラシックコンサートにはまったく足を運ばない僕ですが、ヨーロッパではそれぞれの国ごとに聴きに行ってました。いや、日本人が演奏するクラシックが嫌いなわけでなく、なんとなく日本本来の音楽ではないから気分が乗らないため、わざわざ聴きに行くまでもなく、海外の有名なオーケストラのCDを聞けば十分だと思っているからです。そんな僕がなぜヨーロッパでは足繁くクラシックコンサートに通ったのか。それは...[続きを読む]