カテゴリー別アーカイブ: ジャンル

ゼロ・ダーク・サーティ

この映画は、9.11同時多発テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディンの居場所を突き止め、やがて暗殺へと至る道筋を開いた、CIA分析官の活躍を描いたサスペンス。ビンラディン暗殺(2011年5月2日)のニュースは日本でも親の仇を取ったかのように大々的に報じられたため、悪の首魁ついに討たれるというニュアンスで記憶に残っている方も多いと思います。僕も9.11の衝撃と同じくらいのインパクトを感じたのですが、...[続きを読む]

この世界の片隅に

まず率直に言いますが、この映画を観終わった直後に感じたのは、ちょっとした違和感でした。具体的にどのような違和感だったのかというと、観る前にイメージしていた内容と異なっていたというより、こうした作風にすべきではなかったのではと批判する気持ちに近いです。「戦争」という人間同士の殺し合いを合法化した政治ゲームにおいては、こじつけの正義がまかり通り、とばっちりを受けた相手方が悪のアイコンにされ完膚なきまで...[続きを読む]

ドリームガールズ

ボーカルの入った音楽は、ポップスを中心に割とよく聴くほうですが、その歌手あるいはグループの「ボーカル」だけを意識的に聴くということはあまりないです。もちろん、曲に込められた意図を言葉で伝えようとしているのがボーカルなので、ボーカルこそ彼らが伝えたいことを受け取るためのダイレクトな媒体だとは思います。ですが、これは僕自身の好みの問題だとは思うのですが、バックミュージシャン含めたバンドのメンバーすべて...[続きを読む]

100歳の華麗なる冒険

もし100歳まで寿命があるとしたら、いったい僕はどんな100歳を迎えているのでしょうか。おそらく、というか、確実に衰えていて歩行や食事すらままならず、さらには重度の介護認定されていることも考えられます。一人暮らしなんか絶対にできるはずがなく、周りの人の助けを借りて、そして周りの人の時間を奪いながら生きているということになっているんじゃないかって思います。100年生きるということは大変なことです。最...[続きを読む]

ミッドナイト・イン・パリ

パリには一度だけ行ったことがあります。当時、2か月の予定でヨーロッパ各地をバックパック背負って周遊するという計画を立てたなかで、どの街よりいちばん長く旅程を取ったのがパリでした。理由として、事前に調べてリストアップした各都市における観光名所の数が最も多かったということもありますが、やはり「パリ」という街に対する憧れにも似たイメージが強烈過ぎて、たとえ見どころが多くなくとも長く滞在すべきという意識が...[続きを読む]

フランシスコの2人の息子

僕は趣味で楽器を弾くのですが、あくまでも個人的な趣味であって、誰かに聞かせたり誰かと一緒に演奏したりすることはしません。また、音楽を聴くときも、家の中でステレオから流して聴くとか、通勤時や公園のベンチに座ってスマホからイヤホンを通して聴いたりする感じで、他の人と一緒に盛り上がりながら聴くということはしません。別に、音楽好きを隠しているわけではなく、他の人の演奏に嫌悪感を催すからというわけでもなく、...[続きを読む]

フランス組曲

1940年6月、フランスはドイツ軍によってパリを占領され降伏。ドイツのポーランド侵攻でドイツに宣戦布告した後はしばらく戦火を交えることはありませんでしたが、突如として起きたドイツのオランダ・ベルギー侵攻後、わずか1ヶ月後にパリが陥落し、フランス第三共和政は崩壊しました。6月22日に休戦協定が締結、7月10日には自由地区のヴィシーに親ドイツのフランス政府が成立。形式的にはフランスにヴィシー政府の主権...[続きを読む]

おやすみなさいを言いたくて

戦場カメラマン。特に戦闘や紛争の行われている地域にて戦争や戦闘員、戦争による被害、被害者などを取材するカメラマンのことで、彼らの作品はメディアを通じて目にする機会が多いと思います。中でも、ベトナム戦争で、戦火から逃れるベトナム人母子をとらえた「安全への逃避」は誰もが一度は見たことあると思いますし、僕自身も初めて見たときは強烈なインパクトを受けたことを覚えています。ピュリッツァー賞など国際的な写真コ...[続きを読む]

火の山のマリア

この映画のテーマとなっているのが、南米の先住民族であるマヤ人。メキシコ南部から中央アメリカ北部にかけての地域に居住するアメリカ州の先住民族であり、多数派のスペイン文化に大きく影響を受けつつ伝統的な生活を続けています。「マヤ」と聞くと即座にマヤ文明を想起する通り、紀元前後から16世紀頃までスペインの侵略を受けるまでの大文明を築いてきた人たちのことです。そのマヤ文明の歴史をたどってみると、3世紀には低...[続きを読む]

コロニア

本作は、一度入ったら二度と出られない狂信的組織からの脱出劇という触れ込みですが、注目すべきは脱出した若い男女よりも、その組織「コロニア・ディグニダ」そのものだと思います。狂信的という意味合いからすれば、誰もがかつてのオウム真理教事件を思い出しますね。そのイメージとして、彼らは一般社会から隔絶した地域で、強大な権力を持ったアイコン的存在のもとで独自の集団生活を営み、日々、神との邂逅だとか超常現象の発...[続きを読む]