カテゴリー別アーカイブ: アクション

イップ・マン 葉問

ストーリーは非常にわかりやすい勧善懲悪ものです。高潔な武術の達人がライバルとしのぎを削りながらも友情を育んでいき、最終的には彼らの誇りである武術、さらには民族を侮辱してやまない西洋人と対立しこれに打ち勝つ。まさに、子供の頃によく観たアニメや特撮のヒーローそのもので、初めて観た作品ですがどこかで観たことのあるような懐かしい心持ちにさせられましたし、この映画に共感した人は僕と似たような感想を持ったこと...[続きを読む]

プルーフ・オブ・ライフ

会社のプロジェクトに携わっている南米のとある国にて、武装ゲリラ集団に誘拐されたエンジニアのピーター。彼を救出すべく敏腕交渉人テリーが、ゲリラと無線での交信を通して居場所の手がかりを掴んでいくと同時に、ピーターのプルーフ・オブ・ライフ(生きていることの証明)を確保していきます。交渉人としてはゲリラ側とピーターの引き渡し交渉すること自体をピーターが生きているという事実として捉えるわけですが、反対にゲリ...[続きを読む]

あるいは裏切りという名の犬

大学3年になった頃から、とある大手運送会社にて夜勤のアルバイトを始めました。時間に余裕のある大学生だったから、あらゆる職種の中から選択が可能だったわけですが、荷物の仕分けという地味で埃だらけになる仕事、それも夜勤という華やかでもなんでもない業態を選んだのは、単に実入りがよかったからです。繁忙期を除けば仕事はそれほどきつくはなかったし、一度にアルバイトを大量募集するためシフトの組み方も自由だったので...[続きを読む]

96時間/リベンジ

アクションものには、犯人や展開が最後までわからないサスペンス的要素が重視されているものと、とにかくわかりやすい敵を設定して派手なカーチェイスや銃撃戦で追い詰めていくというものにわかれると思いますが、本作は明らかに後者です。しかも、敵がそんなに強くないので、わざわざ主人公ブライアンの元妻レノーアと娘キムが捕まりに行ってあげて危機感を募らせるという展開になっています。いや、実際のプロットではそんなつも...[続きを読む]

ホワイトハウス・ダウン

本来自分はまったく無関係なのに、たまたまその場に居合わせただけで一国の命運を左右する事態に巻き込まれていく。アクション映画ではよくある設定ですが、こうした事態が現実として発生し、その行く末があなたに委ねられたとしたら、もうポップコーンを片手に客観的に見てはいられなくなります。どういうシチュエーションを想定するかにもよりますが、たとえば異星人の襲来、巨大地震の発生、サイバーテロで国家機能が完全麻痺な...[続きを読む]

ソルト

海外に行くことがしばしばあります。アジア諸国ではほぼ間違いなく「日本人デスカ?」と言われるのですが、欧米を中心としたその他の国では「Chinese?」とか「Korean?」と見られることが多いです。典型的な日本人と言われる僕がそうなのですから、他の日本人ならなおさらなのではないでしょうか。あまりいい気持ちはしませんが、考えてみればこれは仕方のないことだと思います。僕自身も海外で日本人を中国人だと見...[続きを読む]

96時間

欧米は「個人主義」、日本は「集団主義」だと言われます。これはもちろん傾向としてでありますが、個々人の差異はあれど、その民族を貫く一本の筋としては間違っていないと思います。思うままに行動できるが責任はその個人が負う「個人主義」に対し、家や会社、学校などの単位で行動し責任は全員で負う「集団主義」。たしかに、欧米人は自分の意見をはっきり主張し自分自身をプロデュースしている印象があり、日本人は何かを決める...[続きを読む]

カンフーハッスル

もうかなり前の話ですが、国際交流活動をしていたとき、香港人の友人から英語名をもらったことがあります。「リチャード」です。名前をつけてくれた彼はたしかウィルソンという英語名で、名付ける際には有名な俳優に似てるからとか特別な意味はなく(僕はリチャード・ギアには全然似てません)、ほぼ思いつきであだ名をつけるような感じなんだそうです。実際、香港では自分で名付けるケースがほとんどで、英語に限ることはなく別の...[続きを読む]

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

僕が生まれた町は海沿いにあります。遠洋漁業用の大型漁船が拠点にする本格的な港町ではありませんでしたが、岸壁で釣りをする人や春先には潮干狩りに来る人たちで賑わいます。僕の家は山を切り開いた住宅地にあったため、海まで行くのに車で40分ほどかかりましたが、食卓には海藻や貝、親戚が釣ってきた魚などがよく並んだため、海はつねに身近に感じていました。その反面、地形的に海が都心へ出るための障壁となっていたため、...[続きを読む]

シルミド

敵(対立)の存在が明確であればあるほど、物語は面白くなります。僕が脚本の勉強をしていた時、ストーリーを構築する上でまず初めに習ったことが、主人公との対立構造をはっきりと描くことでした。対立を軸に据えることで、主人公の人生における葛藤を生じさせることになり、これにより彼に足枷が加えられたり逆境となって立ちはだかったりする。誰の人生でも選択肢を迫られる葛藤を経験しているので、対立構造が明確なほど主人公...[続きを読む]