カテゴリー別アーカイブ: ドラマ

レールズ&タイズ

男性が乗り物好きであるということは知られた話です。小さい子供に何かプレゼントしてあげようと思ったら、男の子には車のおもちゃ、女の子には人形というのが定番になっています。なぜそうなのかは、心理学や生理学を駆使すれば導き出せるのでしょうが、簡単に言ってしまえば男性は「空間認識力」に長けているからだと説明することができます。この空間認識力とは、つまり遠くの獲物を早く見つける能力のことで、かつて男性の役割...[続きを読む]

グッバイ、レーニン!

「嘘も方便」ということわざがあります。嘘をつくことは本来良くないことだが、時と場合によっては許されるという意味です。仏教用語から来ているとのことですが、あまり難しく捉えず、可愛い嘘なら逆に喜ばれるくらいに覚えておいたほうがいいかもしれません。使用例としては、長らく病院で寝たきりの生活をしている人に「今日は顔入りいいね」とか、ニンジンが嫌いな子に「ニンジン食べないとサンタさん来ないよ」とかが考えられ...[続きを読む]

人生に乾杯!

僕が中学生だった頃、家のすぐ隣に設置されていた農協の無人ATMが強盗の被害に遭ったことがあります。その日はテスト対策のため遅くまで勉強していて、家で起きているのは僕ひとり。それに、僕が生まれ育った地域はこれといった商業施設のない住宅街だったので、近所も真っ暗で誰もが寝静まっていた時間帯です。そんな中、夜中の1時頃だったか、外から耳慣れない外国語が聞こえてきました。なんだろうと思って参考書から目を離...[続きを読む]

マルタのやさしい刺繍

ある程度年歳を重ねて、それでもまだ新しいことに挑戦する意欲を持つということはとても大事なことです。別に、モノにできなくたって上達できなくたって、自分自身の可能性を諦めず、前向きになって取り組んでいく姿勢はとても美しいです。年長の人がそうやって動いていると年若の者まで感化され、全体的に良い波長が形成されていき、継続すればするほどその波は増幅されていくのです。この場合、誰が先に動き出すかがポイントにな...[続きを読む]

ヒトラーの贋札

通貨の価値というのは、その通貨を発行する国の信頼度によって担保されています。信頼度が高いというのは世界で通用するということであり、要するにどこの国に行っても両替ができる通貨のことです。この基準に合致するのは、米ドル、ユーロ、日本円、英ポンド、スイスフラン、カナダドル、スウェーデンクローネだけ。なので、日本人であれば基本的にどこの国の銀行に行っても日本円を現地通貨に両替してもらえるわけです。まぁ、世...[続きを読む]

ソーシャル・ネットワーク

日本でインターネットが普及し始めた90年代には、すでにネット上で日記を交換し合うサービスはありました。僕も名前は忘れましたが、マイクロソフトが提供していたサービスに登録していた記憶があり、いま考えてみれば、これが人生初のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)体験だったかもしれません。ですが、当時学生だった僕はブラウザを立ち上げて自身のページを更新することより、単純に友人同士でEメールを交換し...[続きを読む]

世界最速のインディアン

小学5年生の頃だったと思いますが、僕はクラスの中で1、2を争うほどの俊足の持ち主でした。体育の50メートル走のタイムではつねにトップクラスだったし、サッカーなどの球技をするときも足の早さが重視されるポジションを推されていました。そんな折、秋の運動会に向けてクラス会が開かれ、リレーのアンカーを決める話し合いが持たれました。そこで、僕を含めた足の早い生徒が何人か候補にあがったのですが、その際、担任の教...[続きを読む]

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

僕は年相応に見られることがありません。10歳くらい若く見られることが多いです。若く見られるんなら老けて見られるより全然マシじゃん、と思われたかもしれません。僕もある時期まではそう思っていました。初対面の人に「何歳に見えます?」と聞いて、思惑通り実年齢より若く見られたあと「実は○○歳です」としたり顔で正解を告げた時、相手が「えー」と驚くのが小気味よくて仕方ありませんでした。しかし、考え方を改めてから...[続きを読む]

最強のふたり

僕は、生真面目で面白みのない人間と思われることが多いです。実際そうです。僕自身、それを自覚しています。飲み会でお酒を飲んで騒ぐのが大嫌いで、顔合わせ会であれ忘年会であれ二次会は理由をつけて参加しないし、昼休みに同僚と連れ立って一緒に食事に行くこともないし、仕事の合間に雑談をしてリラックスし合うことが気の利いたことだと思わない。だいいち、冗談を言うことが苦手、というより嫌いです。誰かから僕に面白いこ...[続きを読む]

八日目の蝉

僕はマジョリティを避けるきらいがあります。マジョリティと言っても位置づけはさまざまですが、僕が言うマジョリティとは「圧倒的多数の支持」のこと。メディアなどで登場すれば大歓声、大歓喜を受けるような人にはそっぽを向きます。その人の人間性がどうというより、僕自身がそういう流行の波に乗せられてしまうのが嫌なのです。かつて若貴ブームの時、どちらかが土俵にあがってテレビの内外から大歓声を受けているとき、僕は必...[続きを読む]