カテゴリー別アーカイブ: ドラマ

私の中のあなた

私の中のあなた

僕は生まれてこの方、一度も大きな病気をしたことがなく、当然のことながら入院したこともありません。そもそも鼻血を出したことがないという時点で、超健康優良児というより単に物理的な争いを避けてきた軟弱者と捉えられるかもしれませんが(あながち間違っていません)、風邪はしょっちゅう引くものの手術が必要な大病やリハビリに専念しなければならないほどの不自由とは無縁な人生を送って来られています。僕自身、どちらかと...[続きを読む]

トト・ザ・ヒーロー

トト・ザ・ヒーロー

広告やCMなどで「なりたい自分になろう」とか「未来の自分に会いに行こう」とかのキャッチコピーを見るたびに、現状の自分自身に満足していないことを前提として話を進めているのだなと感じます。もちろん、こういう広告を打つ側も商売なので、たとえ私はいまの自分で不都合はないと主張されても、その人の気など知らず、いやもっと素敵なあなたになれますよと畳み掛けるのでしょうね。ですけど、実際こんな夢みたいなこと聞かさ...[続きを読む]

迷子の警察音楽隊

迷子の警察音楽隊

外国の街に到着した早々、当初予定していた計画が狂い、どうしたらいいかわからず途方に暮れてしまった経験は僕にもあります。もうずいぶん前の話になりますが、中国の北京を初めて訪れたときのことです。当時は旅慣れていなかったこともあり、ホテルは行き先さえ把握しておけば部屋にありつけるということが当然だと思い込んでいました。それで、ガイドブックで見つけた、ロケーションがよく一泊の料金も手頃なゲストハウスを目当...[続きを読む]

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

グッドウィルハンティング

主人公のウィルは大学の清掃員のアルバイトしてをしている、いわゆる社会の底辺に属する青年ではあるのですが、記憶力が抜群で高度な数学の問題も即座に説いてしまうという才能を持っています。彼は自身の才能に気づいてはいるものの、気の合う仲間たちと一緒に酒を飲んでバカ騒ぎしたり、気に入らないやつを見かけると途端に喧嘩をふっかけたりする生活に満足していて、社会に出て自分自身を試そうとすることをひたすら拒否してい...[続きを読む]

アンコール!!

アンコール!!

この映画の主人公アーサーは、僕とタイプが非常に似ています。周りと溶け込むことを嫌っていつも単独行動を取る、人からのアドバイスを軽蔑と受け取り意固地になる、俺は誰からも嫌われていると思い込む、家族ですら敵であると身構える。まさに僕そのものでした。一匹狼といえば格好良いのかもしれませんが、接近してくる誰をも攻撃的な眼差しで警戒し、向こうから何か言ってくる前に激しく罵倒して追い返そうとする態度は、孤独と...[続きを読む]

ダラス・バイヤーズクラブ

ダラス・バイヤーズクラブ

医薬品は一製品あたりの製造原価が安く、製造業の中でも利益率が非常に高い産業だそうです。したがって、画期的な新薬を開発できれば、世界市場で年間数千億円を売り上げることも決して不可能ではありません。しかし、ひとつの新薬の開発するのに、数十億円から数百億円という莫大な研究開発費が必要とのことで、製薬会社の企業売上高に占める研究開発費の割合は、電気・電子・精密機器・自動車産業が5%前後であるのに対して19...[続きを読む]

ブラス!

ブラス!

エネルギー革命に伴い、炭鉱が次々と閉山していくという事態はなにもイギリスだけに限らず世界的な現象であり、言うまでもなく日本も同じです。殊に日本で取れる石炭は質が悪く、また地中深くまで掘り進めないと採掘できないのでコストが高くつくという事情があり、戦争では戦艦用の石炭を安くて高品質な外国産に求めていたほど。なお、石炭を掘る手段として2種類あり、石炭のあるところまで延々と穴を掘っていく坑道堀りと、地表...[続きを読む]

クラッシュ

クラッシュ

アメリカ合衆国には多種多様な人種が住んでいるということは、いまさら言わずもがなの話。では、どのような人種構成になっているかというと、まず圧倒的多数を占めているのが白人で74%(2006年American Community Surveyより。以下同)。2番目に多いのがヒスパニック系で14.8% (メキシコ系64%)。そのうち43%が西部の州に住み西部の人種の27%ほどを占めていますが、一部のヒスパ...[続きを読む]

真珠の耳飾りの少女

真珠の耳飾りの少女

僕は美術館とか博物館という場所にはまったくもって食指が動かないタイプの人です。国内外問わず、旅行に行った時には、国立の大きなものはもちろん、滞在している街の歴史や文化にちなんだ記念館などももれなく足を運ぶのですが、特に強い知的興味や探究心が湧いたから行くわけではありません。単に、そこがその街のシンボルになっていたりガイドブックのいちばん最初に大きく紹介されていたからなどといったように、そこに行った...[続きを読む]

再会の街で

再会の街で

嫌なことは誰だってすぐに忘れてしまいたいと考えるものです。その度合が深ければ深いほど簡単に忘れ去ることなどできず、いつまでも脳裏にこびりついて後々まで悪影響を及ぼし続けます。かなり昔の出来事で完全に綺麗さっぱり忘れたものと思い込んでいたことでさえ、何かの拍子に突然思い起こされることもあり、まるでヘビに睨まれたカエルのごとく戦慄で全身が動かなくなったり、体中の骨という骨が強力な酸で溶かされてしまった...[続きを読む]