カテゴリー別アーカイブ: ホラー

エスター

この人は絶対にそういうことをしなさそうなのに平気な顔をしてやってのけてしまったり、常識では考えられないことをいつの間にか信じ込まれされていることに気づくと、誰だってとてつもない恐怖に襲われると思います。大どんでん返し系のサスペンス映画ではたいていそうしたクライマックスが用意されているもの。犯人は心の底から信頼していたパートナーとだったとか、実は自分は死んでいるのに普通に現世で生活していたとか、ハッ...[続きを読む]

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

「吸血鬼」と聞けば、条件反射的にドラキュラ伯爵をイメージする人は多いでしょう。かくいう僕もそうです。でも、それと同時に、ドラキュラは創作における架空の人物であり、ひいては吸血鬼自体が想像上の産物であると連鎖的に思い浮かべることと思います。それはおそらく正しい認識のはずです。ドラキュラの出自が小説であることは言うまでもなく、吸血鬼は狼男やフランケンシュタインと同じように、世界中で知られている怪物では...[続きを読む]

スリーピー・ホロウ

そういえば、そろそろハロウィンですね。というか、「そろそろ」だなんて、日本の暦に定着したような言い方をしてしまいましたが、ハロウィンはバレンタインやクリスマスのように、日本の季節イベントのひとつとして組み込まれてしまった感があります。ただ、どうも僕には違和感が残ります。というのも、僕が小さい頃、バレンタインやクリスマスはすでにあったのですが、ハロウィンはここ数年で浸透してきたものなので、季節の風物...[続きを読む]

ミスト

群集心理の端的な特徴として、群衆一人ひとりの思考が単純な動機で簡単に動かされてしまい暴徒化しやすいというのがあります。よく数千数万の人たちが、同じ方向に向かって狂気の入り混じった表情で気勢を上げている映像を見かけますが、あれはまさしくその典型です。群衆一人ひとりは普段は物静かだったり真面目な務め人だったりなのですが、あるきっかけが原因で強烈な罵詈雑言や破壊活動をも厭わない悪鬼と化してしまう。そのき...[続きを読む]

ザ・フォッグ

霧が街を覆い尽くすと聞いただけで、その向こうから世にも怖ろしい悪鬼がやって来て住民を皆殺しにするような、深い恐怖に身が竦んでしまうのは別にホラー映画の見過ぎでも何でもない、ごく自然な心理作用です。ここで言う霧とは、早朝に視界が薄い乳白色に曇る程度の霧のことではなく、まるで煙幕を張られたように真っ白い気体に周囲を覆われて視界がゼロになる霧のこと。僕はそういう霧には遭遇したことはありませんが、昼夜の寒...[続きを読む]

ゴーストシップ

この映画を観て、バミューダ・トライアングルのことを思い出しました。バミューダ・トライアングルとは、フロリダ半島の先端、プエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形のことで、その海域を船や飛行機が航行するとまるで神隠しに遭ったかのように姿を消してしまうというミステリーは超常現象に関心がない方でも聞いたことのある話だと思います。有名な実例として挙げられるのが、1945年のアメリカ海軍アヴェンジャー雷撃機...[続きを読む]

ぼくのエリ 200歳の少女

今回初めてスウェーデンの映画を見ましたが、まず驚いたのはスウェーデン人の肌が見事なまでに白いということ。白いというより透明度60%くらいの曇りガラスのようであり、別の言い方をすれば生気のない青白さという表現もできるかと思います。雪の白さが肌の色より濃く見えたほどですから。では、なぜスウェーデン人の肌は透き通るように美しいのか。これは単純に、スウェーデンは高緯度に位置し年間を通じて日照時間が少ないと...[続きを読む]