カテゴリー別アーカイブ: ジャンル

ジュリエットからの手紙

この映画の舞台となったイタリア・ヴェローナは、半日もあれば歩いて回れるほど小さな町なのですが、とある目的が理由で観光客が途絶えることがないとのことです。その目的こそ「ジュリエットの家」。イギリスの劇作家シェークスピアが書いた悲劇「ロミオとジュリエット」のモデルとなったことで、実話でないにもかかわらず、悲劇のヒロインはいまも全世界から慕われているのです。そのジュリエットの家を来訪する理由が、自身の恋...[続きを読む]

NARC ナーク

タイトルの「narc」とは、麻薬取締官、密告者、タレコミ屋という意味の俗語だそうです。麻薬取締官という正式な国家公務員と、裏社会で暗躍する無法者というイメージのあるタレコミ屋が同義になっているところが奥深いところだと思います。麻薬取締官の仕事は、文字通り麻薬の取締が主で、薬物犯罪の捜査や不正ルートの解明、正規麻薬の不正使用の監視などが含まれます。これは日本もアメリカも機関の違いこそあれ同じでしょう...[続きを読む]

レールズ&タイズ

男性が乗り物好きであるということは知られた話です。小さい子供に何かプレゼントしてあげようと思ったら、男の子には車のおもちゃ、女の子には人形というのが定番になっています。なぜそうなのかは、心理学や生理学を駆使すれば導き出せるのでしょうが、簡単に言ってしまえば男性は「空間認識力」に長けているからだと説明することができます。この空間認識力とは、つまり遠くの獲物を早く見つける能力のことで、かつて男性の役割...[続きを読む]

ぼくのエリ 200歳の少女

今回初めてスウェーデンの映画を見ましたが、まず驚いたのはスウェーデン人の肌が見事なまでに白いということ。白いというより透明度60%くらいの曇りガラスのようであり、別の言い方をすれば生気のない青白さという表現もできるかと思います。雪の白さが肌の色より濃く見えたほどですから。では、なぜスウェーデン人の肌は透き通るように美しいのか。これは単純に、スウェーデンは高緯度に位置し年間を通じて日照時間が少ないと...[続きを読む]

スリーデイズ

まったく身に覚えがないのにも関わらず事件の容疑者として拘束され、ろくな裏付けも取らず乏しい情況証拠だけで犯人と断定されるケースが多々あります。これまで善良な生活を送っていた無実の市民がいきなり犯罪者される場合、テレビなどでは「誤認逮捕」あるいは「冤罪」として混同して報道されますが、そもそも両者は異なる用語です。誤認逮捕は、逮捕行為の対象を誤った場合に使われる用語で有罪か否かは未決の状態。冤罪は、無...[続きを読む]

ソルト

海外に行くことがしばしばあります。アジア諸国ではほぼ間違いなく「日本人デスカ?」と言われるのですが、欧米を中心としたその他の国では「Chinese?」とか「Korean?」と見られることが多いです。典型的な日本人と言われる僕がそうなのですから、他の日本人ならなおさらなのではないでしょうか。あまりいい気持ちはしませんが、考えてみればこれは仕方のないことだと思います。僕自身も海外で日本人を中国人だと見...[続きを読む]

海角七号/君想う、国境の南

台湾には2度行ったことがあります。最後に訪れたのがもう5、6年前のことなので随分ご無沙汰になっていますが、それでも旅行中に現地で感じことは鮮明に記憶しています。暖かい気候、おいしい台湾料理、にぎやかな夜市など、思い返せばきりがありませんが、その中でも最も深く印象に残っているのが「違和感がない」ということです。違和感がないということは、まったく別の国に来たという実感がそれほどなく、滞在期間中を通して...[続きを読む]

グッバイ、レーニン!

「嘘も方便」ということわざがあります。嘘をつくことは本来良くないことだが、時と場合によっては許されるという意味です。仏教用語から来ているとのことですが、あまり難しく捉えず、可愛い嘘なら逆に喜ばれるくらいに覚えておいたほうがいいかもしれません。使用例としては、長らく病院で寝たきりの生活をしている人に「今日は顔入りいいね」とか、ニンジンが嫌いな子に「ニンジン食べないとサンタさん来ないよ」とかが考えられ...[続きを読む]

人生に乾杯!

僕が中学生だった頃、家のすぐ隣に設置されていた農協の無人ATMが強盗の被害に遭ったことがあります。その日はテスト対策のため遅くまで勉強していて、家で起きているのは僕ひとり。それに、僕が生まれ育った地域はこれといった商業施設のない住宅街だったので、近所も真っ暗で誰もが寝静まっていた時間帯です。そんな中、夜中の1時頃だったか、外から耳慣れない外国語が聞こえてきました。なんだろうと思って参考書から目を離...[続きを読む]

マルタのやさしい刺繍

ある程度年歳を重ねて、それでもまだ新しいことに挑戦する意欲を持つということはとても大事なことです。別に、モノにできなくたって上達できなくたって、自分自身の可能性を諦めず、前向きになって取り組んでいく姿勢はとても美しいです。年長の人がそうやって動いていると年若の者まで感化され、全体的に良い波長が形成されていき、継続すればするほどその波は増幅されていくのです。この場合、誰が先に動き出すかがポイントにな...[続きを読む]