カテゴリー別アーカイブ: サスペンス

灼熱の魂

灼熱の魂

この映画を観て以来、お盆やお正月には帰省して両親の顔を見る、お米がなくなったら実家に連絡して送ってもらうといったことを当然のこととしている僕は、なんと脳天気な人生を送っているのだろうと実感するようになりました。これまで、両親の存在はもちろん、自分が生まれた経緯、そして自分を取り巻く環境に大難が起こらず実に平和に生きていることのありがたさなんて、これっぽっちも考えず過ごしてきました。両親に感謝を捧げ...[続きを読む]

シャッター アイランド

シャッターアイランド

精神科が設置されている病院には、閉鎖病棟あるいは隔離病棟と呼ばれる病棟があります。任意入院のそれとは構造が異なり、文字通り出入り口が施錠され、自由に出入りできない病棟のことです。そこに入院するのは、急性期の精神疾患で興奮のために不穏、多動、暴力といった行為が認められる患者。具体的には、自傷や自殺の恐れがある、本人が意識しない自傷的な行為がある(自傷行為や自殺念慮)、他傷の恐れがある(急性期の統合失...[続きを読む]

ミスティック・リバー

ミスティック・リバー

「贖罪」。どんな意味か聞かれて正確に答えられる人はどれほどいるでしょうか。もちろん、罪滅ぼしとか罪を償うとか、言葉の置き換え的な説明は誰でもできると思いますが、ここで焦点としているのはその原型的な意味。もうこのへんで宗教的なにおいがして途端に神との対話みたいな高尚な解説に発展しそうな雰囲気なのですが、調べてみるとたしかに僕には高尚すぎました。そもそも贖罪とは、人間の罪と苦しみからの解放を意味し、広...[続きを読む]

プレミアム・ラッシュ

プレミアム・ラッシュ

いまでこそ、書類はデータ化してインターネットで手軽に送れる時代になりました。ですが、インターネットがなかった頃、あるいは原本を送付しなければならない場合については、宅配業者を利用することが一般的でしょう。で、真っ先に思いつくのが、郵便。民営化されたとは言え、手紙をはじめ小包を送るという業務に変わりはなく、それにどんな小さな町にも郵便局は1軒はある(たぶん)身近なものなので、やはりいまも昔も配達をお...[続きを読む]

グランド・イリュージョン

グランド・イリュージョン

僕はテレビでしかイリュージョンを見たことないため、リアルに目の前で展開されて得られる感動というものはついぞ味わったことはありません。テレビで見ても面白いと言えば面白いのですが、どうしても編集されているという読みが働いていしまって感興は巻き起こらず、なんとなく「ふーん」と鼻を鳴らしながら見終えるというのがいつものパターンです。見せ場のシーンでは思わず唸ることもありますが、どうせ「なーんだ」と笑ってし...[続きを読む]

天空の蜂

天空の蜂

東日本大震災による福島第一原発事故がきっかけで、日本全国で「原発は危険」というイメージが固定し、各地で反原発運動が起こりました。「脱原発」とか「原発やめろ」とか書いたプラカードを掲げたりシュプレヒコールをあげながら繁華街を練り歩くデモ隊の様子が、よくテレビで報道されていたことを覚えています。この動きが盛り上がっていくにつれ各地の原発が停止に追いやられ、その結果、火力発電所が休眠だったものも含めてフ...[続きを読む]

日本のいちばん長い日

日本のいちばん長い日

この映画は、1945年8月14日の深夜から15日にかけて、一部の陸軍省幕僚と近衛師団参謀が中心となって起こした「宮城(きゅうじょう)事件」を基にした作品。はて、宮城事件とは……。終戦間際、それも皇居が舞台のクーデターということで、これほどの大事件を日本人として知らないはずはないと言いたいところですが、正直僕は知りませんでした。学校の歴史の授業では近現代史まで時間的に足りないため、この事件も大東亜戦...[続きを読む]

ファーゴ

ファーゴ

世間をアッと言わせるような大事件も、蓋を開けてみれば実は狂言だったということが往々にしてあります。この自作自演とかやらせとか言い換えられ得る狂言は、もちろん誘拐や強盗といった犯罪を自分ででっち上げて不当な利益を得る手段のこと。もっと簡単に言えば、犯罪の被害者になったとそれらしい嘘をついて相手を騙すことにほかならず、当然のことながら罪に問われます。よくあるタイプとして、強盗被害に遭ったと嘘をついて店...[続きを読む]

アメリカン・ハッスル

americanhustle

いまも昔も、善良な市民から金品を巻き上げる詐欺師の存在が途絶えたことはありません。人を騙して利益を得ようとする人がいない社会など、どんなに治安の良い国でも実現することは不可能。そのうえ、時代が進むにつれて手法はさまざまに変化し巧妙化していくので、警察とのイタチごっこは終わりません。一方で、詐欺師がターゲットとなる人を騙す心理的アプローチはだいたい共通しています。つまり、「ターゲットが騙されたと気づ...[続きを読む]

ホステル

hostel

海外を数ヶ月単位で旅するバックパッカー御用達の宿と言えば、ゲストハウス。いわゆる安宿というやつで、外国人が集まる観光地には必ずいくつか存在し、バックパックを背負った長期旅行者の溜まり場となっているところでもあります。中に入ると、たいていバーが併設されたレセプションがあり、ロビーではさまざまな国籍の旅行者がビールを片手に交流を深めている様子がうかがえます。で、肝心のお部屋のほうと言えば、そのほとんど...[続きを読む]