カテゴリー別アーカイブ: あ行

A.I.

「愛情遮断症候群」という病気があります。愛情を感じることができない環境で育った子供がかかってしまう病気のことで、睡眠時に分泌されるべき成長ホルモンが分泌されず、発達や成長に遅延が生じてしまいます。言語の遅れや緩慢な動作、乏しい表情、知的発達の遅延、睡眠障害といった症状が生じ、十分な栄養も与えられていない場合も多いため栄養失調状態にあることも少なくないとのことです。この原因はもちろん親の言動にありま...[続きを読む]

アポカリプト

「マヤ文明」と聞いてピクリと反応する人は、おそらく専門家かオカルト愛好家くらいしかいないのではないかと思います。マヤ文明は、紀元前から16世紀にかけて、メキシコ・グアテマラ・ベリーズ・ホンジュラス・エルサルバドルにまたがる「中米」に成立。低地地帯に一種の宗教的都市形成が生じ、巨大なピラミッド型の大神殿や礼祭場、裁判所、市場などが建造されたそうです。たしか、世界史の教科書に出てきた記憶はあるのですが...[続きを読む]

あなたになら言える秘密のこと

何かについて思い悩んだり、壁にぶつかったとき、人はどういう行動を取ろうとするでしょうか。これは考えるまでもなく、「助けてほしい」と思うはずです。いや、俺は自分ひとりですべてを解決してきたから、他人に助力を頼むなんてありえない、という人もいるでしょう。でも、ここで僕が意図しているのは、自分でできる範囲を完全に超えていて絶望のあまり立ち往生してしまっている状況のこと。どんなに難解な暗号も瞬時に解けてし...[続きを読む]

永遠の僕たち

「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」「生きて捕囚の辱めを受けるなかれ」という言葉があるように、日本人の心の奥底には、死に際における振る舞い方がサムライの時代から脈々と受け継がれています。命はもちろん尊いものだけれど、自分にとってもっともふさわしい「死に場所」とは何かという問いかけに腐心してきたのが日本人です。だから、策を弄した卑怯な勝ち方や騙し打ちをしてまで命をつなぐよりは、潔い死に方をするほうが...[続きを読む]

生きてこそ

僕は雪が軒下にまで積もる地域の出身でもなければ、年一度か二度の大雪で電車遅延に立ち往生する東京に住んでいるので、特別雪を怖ろしい存在と考えてはいません。いやむしろ、雪の予報が出ると、子供のように胸を躍らせるほどで(さすがに大はしゃぎはしませんが)、何かしらのイベントのように捉えているフシがあります。雪が降ったら、特別の防寒用のコートを着て、普段は使わないニット帽を被り、滑り止めの付いた靴を履く。そ...[続きを読む]

イーグル・アイ

民主主義とか平和主義とかいう言葉を聞くと、条件反射的に「自由」を連想する人は多いと思います。そうでなくとも、束縛や隷従といった奴隷社会のようなニュアンスとは異なる、社会の成熟度や国民の教養も高い近代的な国家のことを思い浮かべると思います。その通りだと思います。ローマに滅亡させられ奴隷供給地となったカルタゴや、モンゴル帝国に蹂躙されたユーラシア大陸、スペインやポルトガルの狩場となった南アメリカ、革命...[続きを読む]

es[エス]

大学の一般教養授業で、たいていの学生(特に文系では)が受講する「心理学概論」。本屋に行くと「気になる人の心を読む方法」とか「出世するための心理学」みたいなタイトルで並んでいるのをよく目にするため、それに影響されて豆知識を得るようなイメージで受講する学生が多いんじゃないかと思います。かくいう僕もそうでした。一般教養は1年次2年次の単位稼ぎとしての意味合いが強いので(くどいようですが文系では)、選ぶに...[続きを読む]

アポロ13

宇宙開発事業関連の事故で、僕が知っている中でもっとも鮮明に覚えているのが、1986年のスペースシャトル・チャレンジャー号の事故です。打ち上げから73秒後に空中分解し、7名の乗組員が死亡したという凄惨な事故だったわけですが、テレビのニュースで何度も伝えられたことから、当時小学生だった僕の脳裏にその映像はくっきりと焼き付けられました。低温によるOリングの弾性喪失や設計ミスで燃料が漏れたことが原因だった...[続きを読む]

THE WAVE ウェイヴ

一般に、ひと握りの指導者層が大衆をひとつの目的のために動かすことを「洗脳」といったり「マインドコントロール」といったりします。第二次大戦期のファシズムや旧ソ連のスターリン、最近だとオウム真理教などが思い浮かびます。僕は心理学の専門家ではないのでどちらも同じような意味合いと認識しているのですが、調べてみるとどうも違うようです。「洗脳」とは、いままでの自己アイデンティティを破壊し、まったく新しい自分を...[続きを読む]

ウォーム・ボディーズ

本来は人間らしい感情など持ち得ないゾンビが、ある日食糧とするために襲撃した人間の女の子に恋をして、感情的な温かさを取り戻していくというストーリー。そもそもゾンビとは、死体が蘇り死体のまま行動する化け物のことであり、生きる人間の対照としてホラー映画では定番のキャラクターとなっています。そんな温かさの欠片も感じさせないゾンビが、ある女の子と出会って人心地ついて、気づかぬうちに体温(ゾンビの体温は気温と...[続きを読む]