カテゴリー別アーカイブ: か行

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

主人公のウィルは大学の清掃員のアルバイトしてをしている、いわゆる社会の底辺に属する青年ではあるのですが、記憶力が抜群で高度な数学の問題も即座に説いてしまうという才能を持っています。彼は自身の才能に気づいてはいるものの、気の合う仲間たちと一緒に酒を飲んでバカ騒ぎしたり、気に入らないやつを見かけると途端に喧嘩をふっかけたりする生活に満足していて、社会に出て自分自身を試そうとすることをひたすら拒否してい...[続きを読む]

クラッシュ

アメリカ合衆国には多種多様な人種が住んでいるということは、いまさら言わずもがなの話。では、どのような人種構成になっているかというと、まず圧倒的多数を占めているのが白人で74%(2006年American Community Surveyより。以下同)。2番目に多いのがヒスパニック系で14.8% (メキシコ系64%)。そのうち43%が西部の州に住み西部の人種の27%ほどを占めていますが、一部のヒスパ...[続きを読む]

きっと、うまくいく

「大丈夫大丈夫」「いいからいいから」「とりあえずやっとけって」。こういうのは励ましでも慰めでもなんでもなく、根拠のない煽りだったり冷やかしだったりすることがほとんどで、これらをよく口にするのはたいてい自主性のない未成熟な人に決まっています。言われたこちらとしては「はいはい」と話半分で受け流しておけばそれで済むわけですが、何かに真剣に迷っている時だと腹が立つのを通り越して、憎しみさえ感じることもあり...[続きを読む]

恋する惑星

香港を訪れるバックパッカーなら知らない人はいないと言われている「重慶大厦(チョンキンマンション)」。香港随一の繁華街、尖沙咀(チムサーチョイ)に立地しているこのマンションは、雑貨屋やかばん屋、食堂、両替屋などローカル色満点の店が入居しているだけでなく、各階にびっしりと存在する安宿が旅行者にとっての目玉。僕も初めて香港に旅行に行った時、宿を求めて真っ先に向かったのがこのマンションでした(実際、宿を取...[続きを読む]

コーラス

手の付けられない不良や無気力の生徒たちをまとめて、ひとつの目標に向かって努力する過程で更生していく姿を描いた作品というのは、日本のみならず世界でも定番の人気コンテンツとなっています。その“ひとつの目標”というのは、スポーツ(団体競技)、音楽、演劇、学園祭の出し物など集団が結束して同じルールのもと他の集団と切磋琢磨して競い合った結果に得られるものと定義でき、反対に、書画や読書、ゲームなど個人で個人と...[続きを読む]

ゴーストライター

現在の職業に身を置く前は、ずっとライターをしていました。ライターと言ってもピンからキリまであるわけですが、僕が携わっていた業界は新聞と求人。前者は新聞社系列の編集プロダクションでテレビ局と連動した記事を書いており、後者は広告代理店の求人サイトに掲載する会社紹介文などを書いていました。両方とも(特に前者は)ライター個人の特徴を出さない淡々とした文章が是とされていたので、いわゆる小説とかエッセイといっ...[続きを読む]

カンパニー・メン

身近で起きた経済事件という意味では、2008年のリーマン・ショックは平成のバブル崩壊に比べればインパクトは大きくなかったのですが、世界に与えた影響という面から見つめ直してみるとリーマン・ショックのほうがはるかに甚大でした。アメリカの低所得者向けのサブプライムローンをリーマン・ブラザーズをはじめとした証券会社が目をつけ、証券化し世界中の投資家に販売しました。ですが、その信頼性に疑問符をつけた投資家が...[続きを読む]

画家と庭師とカンパーニュ

高校2年の時に同じクラスになって知り合った友人がいました。友人と言っても、仲が良かったグループに偶然居合わせたといった感じの存在で、僕自身は他の友人とはよくしゃべっていたものの、その彼A君とはそれほど親近感を感じることはありませんでした。特にウマが合わないとか近づきがたい雰囲気があったというわけではなかったのですが、なんとなく直感的に気を許せない何かを感じていました。そんなわけで、A君と行動を共に...[続きを読む]

ゴーストシップ

この映画を観て、バミューダ・トライアングルのことを思い出しました。バミューダ・トライアングルとは、フロリダ半島の先端、プエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形のことで、その海域を船や飛行機が航行するとまるで神隠しに遭ったかのように姿を消してしまうというミステリーは超常現象に関心がない方でも聞いたことのある話だと思います。有名な実例として挙げられるのが、1945年のアメリカ海軍アヴェンジャー雷撃機...[続きを読む]

グラン・トリノ

アメリカに行って気づくことがあります。特に大都市で顕著なのですが、市内のファストフード店やカフェ、空港の売店などの販売員がかなりの確率でヒスパニック系や黒人だということです。初めてアメリカに行った時、本場のマクドナルドで食事するのをとても楽しみにしていて、映画俳優のような白人店員が「Hi!」と白い歯を見せてスマイルしてくれるのかと思っていましたが、カウンターで僕を待っていたのはスペイン語訛りの強い...[続きを読む]