カテゴリー別アーカイブ: ら行以下

ランボー/怒りの脱出

激しい感情に身悶えしたとき、必ず観たくなる映画があります。もちろん、その感情の種類によって観る映画は異なり、羽が生えたように心躍るような気分だったらこれ、失意のどん底に落とされた時はこれ、のんびりと何も難しいことを考えたくない時はこれ、といった感じで、実際に観るかどうかは別として特定の映画がパッと浮かんでくるものです。そんな中で、腹の底から湧き出てくるドス黒い怒りに打ち震えたときに観たくなるのが、...[続きを読む]

ロード・オブ・ウォー

武器商人とは、その字義通りに定義するなら武器を売る商人のことですが、武器弾薬を販売することで戦争によって私利を図ることから「死の商人」とも呼ばれており、こちらのほうがその本質をより捉えていることから通りがよいのではないかと思います。それも、この“私利”というのがクセモノで、利益になるのであれば敵味方を問わず兵器を販売するスタンスを取るため、戦争が長引かせたり、第三者が介入させて対立構造が複雑化した...[続きを読む]

ロルナの祈り

偽装結婚とは、夫婦として共同生活をしている実態がないが配偶者がいることの利点を享受するために結婚することを言いますが、たいていブローカーを通して外国人が日本人とする偽りの結婚を指すことがほとんどです。形式的に言うと、日本へ出稼ぎに来る外国人が在留資格と就労資格を得る目的で、日本在住の日本人と婚姻生活の実態を伴わない書類上の結婚を計画的に行うこと。これは当然のこととして詐欺行為による犯罪で、電磁的公...[続きを読む]

私の中のあなた

僕は生まれてこの方、一度も大きな病気をしたことがなく、当然のことながら入院したこともありません。そもそも鼻血を出したことがないという時点で、超健康優良児というより単に物理的な争いを避けてきた軟弱者と捉えられるかもしれませんが(あながち間違っていません)、風邪はしょっちゅう引くものの手術が必要な大病やリハビリに専念しなければならないほどの不自由とは無縁な人生を送って来られています。僕自身、どちらかと...[続きを読む]

レッド・バロン

戦闘機が主役の映画で真っ先に思い出すのは、やはり「トップガン」ですね。最新鋭の(と言っても1980年代ですけど)戦闘機が高高度かつ超音速飛行で敵とのドッグファイトを繰り広げる映像は、そのリアルな迫力と格好良さに小学生だった僕はすっかり憧れてしまったものです。男は大概乗り物好きではあり、子供は特にスピードが出るものに強く惹かれる傾向が強く、新幹線やスーパーカーなどが大人気となるのですが、未知の大空を...[続きを読む]

ロスト・メモリー

マーケティング手法としてよく知られているものに、「返報性の原理」というのがあります。返報性とは、他人から何らかの施しを受けた場合にお返しをしなければならないという感情を抱く心理のことで、マーケティングではターゲットに小さな貸しを与えることで大きな見返りを得るテクニックとして活用されているのです。たとえば、電気屋にパソコンの下見に行ったものの対応してくれた店員が非常に丁寧にアドバイスしてくれたので他...[続きを読む]

ラスベガスをぶっつぶせ

ギャンブルはしないことにしています。別に、倫理的に許せないとか、勤勉勤労を否定しているのが気に食わないというわけではなく、単純に「怖い」からしたくないだけです。ギャンブルを怖いと思う背景には、小学生の頃に味わった苦い記憶があり、それがトラウマとなっていまでも僕をギャンブルから遠ざけているのです。その苦い記憶というのは、言うまでもなくギャンブルで大敗したこと。それも、当時小学生だった僕にとって大金で...[続きを読む]

レスラー

プロレスは好きで、よくテレビ放送を観ていました。僕が観ていたのは、ジャイアント馬場やアントニオ猪木、天龍源一郎、ジャンボ鶴田、藤波辰爾、長州力らの昭和世代のひとつ上に当たる世代が大暴れしていた時期。もっぱらテレビ観戦だったので、観ていたのは全日本プロレス(のちプロレスリング・ノア)と新日本プロレスというメジャー団体だけでした。全日本は守旧的で非対外的だったけど堅実で正統派のプロレスを見せてくれ、一...[続きを読む]

ル・アーヴルの靴みがき

簡単にストーリーを紹介してしまうと、靴磨きの老人マルセルがアフリカからの密航者イドリッサを自宅に匿って目的地のロンドンに送る手助けをするという話です。本来であれば、マルセルが取った行為は密航者を隠匿する犯罪行為であり、描き方次第で切迫感あふれるクライムサスペンスになるところですが、この映画にはそうしたダークな面は一切ありません。むしろ、舞台となった北仏ル・アーヴルに降り注ぐやわらかい陽光のように暖...[続きを読む]

私がクマにキレた理由

自分を変えたいときにまずやるべきこととして、大前研一氏が3つの要素を提示しています。曰く「1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目は付き合う人を変える」とのこと。時間配分を変えるとは無意味なことに費やしていた時間を有効なことに回すこと、住む場所を変えるとは自分にとって良い影響を受けられる場所に移ること、付き合う人を変えるとはなあなあの関係より刺激を与え合える人と親密になることだそ...[続きを読む]