ジュリエットからの手紙

(2010年 / アメリカ)

婚約者のヴィクターとヴェローナへやって来たソフィ。ひとりジュリエットの家を訪れた彼女は、偶然壁の中で眠っていた50年前の手紙を見つける。

恋の悩みは手紙で解決できるか

ジュリエットからの手紙

この映画の舞台となったイタリア・ヴェローナは、半日もあれば歩いて回れるほど小さな町なのですが、とある目的が理由で観光客が途絶えることがないとのことです。その目的こそ「ジュリエットの家」。イギリスの劇作家シェークスピアが書いた悲劇「ロミオとジュリエット」のモデルとなったことで、実話でないにもかかわらず、悲劇のヒロインはいまも全世界から慕われているのです。そのジュリエットの家を来訪する理由が、自身の恋の悩みを綴った手紙を壁に貼り付け、ジュリエットに聞き届けてもらいたいという切なる思いを伝えるため。映画もこの事実を軸にストーリーが展開していきます。

このジュリエットの家では、実際に壁に貼られた手紙だけでなく、全世界から郵送で送られてくる手紙にも対応し、“ジュリエットの秘書”と称する15人の女性スタッフが手分けして返事を書いて送り返しているとのこと。毎年5,000通にも及ぶだけでなく、英語やイタリア語だけでなく日本語を含めたあらゆる言語で返事をしているというのですから驚きです。手紙を送れるのは女性だけなのかなと思い、いろいろ調べてみたところ、特に条件が設けられているわけでないようなので、男性も手紙を書いて返事を受け取る資格はあるのかもしれません。ですが、現実的には、恋愛相談をしたがる(話を聞いてもらいたい)のは圧倒的に女性ですし、悲劇の恋愛アイコンに縋りたいと思うのも同性である女性だと思います。

僕だったら、手紙を書いて慰めを受けるということはせず、心理カウンセリングを受けて自分自身の心の立ち位置をしっかり把握することに努めたいです。恋愛で悩んでいるということは、身近な人間関係でもうまくいっていないということだし、その心の動揺が仕事や生活に悪影響を及ぼす可能性が高いため、もっと根本的な部分に光を照らして解決しなければいけないと考えます。要するに、一度悩みだすと自分に自信が持てなくなるということです。実際、僕は平常心の時でも引っ込み思案ではありますが、さらに落ち込むと完全に塞ぎこんでしまうし、逆に自信過剰というのも問題です。

僕はこれまで一度もカウンセリングを受けたことはありませんが、切羽詰まった時は悩み相談のラジオ番組に手紙を出すのではなく、その場で話を聞いてもらい、理解してもらって味方になってもらいたいという気持ちはあります。手紙のやり取りでは悩みは解決できないと言うつもりはありませんが、文面で心通わすという過程ではなく、こうやって即時に物事を解決させたいと思うのは僕が男ゆえなのでしょうね。

映画は、既視感のある王道的なラブストーリーではありましたが、ジュリエットの家をはじめ、イタリアの観光名所や伝説がうまく活用されていたため、最後まで飽きることなく楽しむことができました。ひょんなことから50年前の恋愛悲劇のキューピッドとなった主人公が、紆余曲折や葛藤に苛まれながらも、自分がまいた種がラストで花開くという心地よい展開でした。

ちなみに、ヴェローナのジュリエットの家の近くにはロミオの家もあるのですが、人通りのない裏通りに建っており、訪れる人はほとんどいないとのこと。ということは、ロミオの家に手紙を貼ったり郵送で手紙を受け付けるというサービスは当然ないでしょう。恋愛の悩みを分かち合えるのは女性の特権で、男は黙ってワイン飲んで忘れろということなのかもしれませんね。


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