ミッション:インポッシブル

(1996年 / アメリカ)

指令を受けて東欧に潜入した極秘スパイ組織IMFのエージェントたち。しかし作戦は敵側に筒抜けで、辛くも逃げ延びたイーサン・ハント以外のメンバーはほとんど殺されてしまう。何者かが自分を裏切り者に仕立て上げようとしていることを知ったイーサンは、陰謀を暴くべく新たなミッションに挑む……。

人気作品のリメイクは難しい

ミッションインポッシブル

小さい頃、父が見ていたのに便乗して、よく海外ドラマを観ていました。当時、日本テレビだったか、日曜の夜10時頃からアメリカの人気ドラマが放送されてて、それを録画して翌日の月曜の夕食どきに観るのが恒例となっていました。その番組は、向こうで人気のドラマをリアルタイムで放送するのではなく、やや旬の過ぎた作品を流すというスタイルで、中高年がターゲットだったのかなと思います。まぁ、その頃はインターネットはおろか、ビデオレンタルもいまほど普及していない時代だったので、滅多な海外ドラマを放送するにもリスクがあったはずなので、無難なタイトルに落ち着いたことは想像がつきます。僕が観てた中でいまでも覚えている主な作品は、「ナイトライダー」「特攻野郎Aチーム」「V」「刑事コロンボ」「名探偵ポワロ」「スパイ大作戦」といったところ。この中でいちばん好きだったのが「V」で、宇宙からの侵略者にレジスタンスとして抵抗する設定が子供だった僕を魅了し(いまは食傷気味ですが)、学校でも数人のメンバー間で流行っていた記憶があります。最近になって「V」はリメイクされたようですが、懐かしさを求めるならまだしも、本腰を入れて観る気はしませんね。

いまでは「24」とか「アンダー・ザ・ドーム」「プリズン・ブレイク」など、当時ほどではないものの海外ドラマは割と観るほうです。日本のドラマと何が違うのか、なぜそこまで夢中になってしまうのかと聞かれると、さして海外ドラマに造詣の深くない僕には解説が難しいのですが、一言で言うと、「登場人物が生きている」ということでしょうか。登場人物が生きているなんて当たり前じゃないかと言われそうですが、噛み砕いて言うと、海外ドラマ(主にアメリカですが)は演技が迫真で、日本ドラマはわざとらしいということ。海外ドラマは侵略者に対する恐怖や抵抗を表すシーンでは思わず手に汗握るほど感情移入できてしまうのですが、日本のは「あぁ、演技してるな」という感想になってしまう。日本人特有の感情表現として、大げさに驚いたり悲しんだり慌てたりするのは強く出さないというのがあるわけで、そう見えてしまうのは同じ日本人として仕方ないことなのかもしれません。だから、海外のと日本のを同じ尺度で評価できないはずなのですが、それでもやはり海外ドラマのほうが面白いと感じてしまうのは、非現実的世界に惑溺したいという願望があるからななのでしょう。

この映画「ミッション:インポッシブル」のベースとなっているのは、言うまでもなく「スパイ大作戦」です。「おはよう、フェルプス君」で始まるテープレコーダーのメッセージが「このテープは自動的に消滅する」で終わる件を覚えているくらいで、人物とかエピソードとかはあまり印象に残っていませんが、アメリカドラマの古典とも言える作品なので知らない人はいないでしょう。というわけで、思い入れの深い人も多いでしょうね。そう考えてみると、表層的な筋のみ知ってる人、またはご新規さんには敷居の高い作品なのかと警戒してしまいます。よくアニメや映画を語る人が、原作を読み込んだ人から痛烈な冷笑を受けるのと同じように。ただ、そうは言っても、古いドラマには古いドラマの良さがあるわけで、調度品とか装置、武器、作戦本部の精密機器などは、その当時のものすべてを含めてが作品です。だから、その当時になかった携帯電話とかノートパソコンとかが出てくると、「スパイ大作戦じゃないなー」と思ってしまうのが僕です。タイトルこそ現代をカタカナ表記にしてて新味を出している気はしますが(翻訳者にそうした意図があったかはわかりません)、登場人物や組織の構成は同一だとしても、なんとなくタイトルで釣っているという気がしてなりません。

僕はそれほどではありませんでしたが、映画としての評価は高いし人気もあったので、観て損はないと思います。でも、「スパイ大作戦」あるいは「新スパイ大作戦」に熱を上げた青春時代を送った人にもお勧めできるかというと話は別です。この作品に限りませんが、前作より評価の高いリメイク作品が滅多に出ないというのは、どうしても現代風にアレンジされた設定に違和感を感じてしまうからでしょう。どうせリメイクするなら、設定を最新にしないで、すべて当時のままアナログのままでやってくれたほうがいいのではと思ったりします。たとえば、ドラクエとかが、ハードこそ違えど操作性や世界観そのままにリメイクされると、「あぁ、これだ!」「これこそ俺の青春!」などというレビューをよく見かけます。映画もいっそのことそうしたほうがいいのでは。こんなふうに考えてしまうのは、僕が年をとって新しいものを受け入れ難くなったってことですかね。


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