ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

9.11の同時多発テロで破壊されたワールドトレードセンタービルの跡地は、現在アメリカ・ニューヨーク市を代表する観光地「9/11メモリアル」となっており、距離的に近くにある自由の女神を見てから訪れるケースが多いようです。かくいう僕もニューヨークを観光で訪れた時に足を運びました。ガイドブックには完全予約制でウェブサイトから申し込まないと入場できないと書いてありましたがそんなことはなく、近くにある記念館...[続きを読む]

コーラス

手の付けられない不良や無気力の生徒たちをまとめて、ひとつの目標に向かって努力する過程で更生していく姿を描いた作品というのは、日本のみならず世界でも定番の人気コンテンツとなっています。その“ひとつの目標”というのは、スポーツ(団体競技)、音楽、演劇、学園祭の出し物など集団が結束して同じルールのもと他の集団と切磋琢磨して競い合った結果に得られるものと定義でき、反対に、書画や読書、ゲームなど個人で個人と...[続きを読む]

ヘルプ ~心がつなぐストーリー~

1960年代までのアメリカ南部のジョージア州やアラバマ州、ミシシッピ州をはじめとする諸州では、白人による黒人の人種分離が合法的に進められていました。これは一般的に「ジム・クロウ法」と呼ばれ、アパルトヘイト政策下の南アフリカ同様、交通機関や水飲み場、トイレ、学校や図書館などの公共機関、さらにホテルやレストラン、バーやスケート場などにおいても、白人が有色人種すべてを分離することを合法とするものでした。...[続きを読む]

サン・ジャックへの道

「巡礼」なんて大げさなものではありませんでしたが、僕もある地点を目指して海外を旅したことがあります。その地点とはカンボジアのアンコールワットです。香港からスタートして陸路を伝ってカンボジアまで行くというもので、この旅自体の最終目的地はシンガポールだったのですが、旅を思い立ったきっかけがアンコールワットだったので、実質的にはそこにたどり着くことで旅の目的を果たしたと同じことでした。40リットルくらい...[続きを読む]

ハングオーバー!

僕は酒がほとんど飲めません。飲めてもジョッキでビール1杯が限界で、それ以上飲むと、顔が真っ赤に充血し呼吸が困難になって、頭が重くなって立ち上がることもできなくなってしまいます。というわけで、僕は飲み会では最初の乾杯で付き合う生ビール1杯だけで勘弁してもらい、あとはコーラとカルピスとかのソフトドリンクオンリーとさせて頂いているのです。社会人になってからは、訪問営業系などの体育会系企業に務めたことはな...[続きを読む]

プチ・ニコラ

別に自慢でもなんでもありませんが、僕は小学生の頃、学年でも1、2を争う強烈な妄想家でした(いまもほとんど変わりありませんが)。アニメやRPG、ファンタジー小説が好きだった影響であることはわかっているのですが、いわゆるファミコンバカだとかオタクと呼ばれる熱狂的ゲーマー、アニメファンだったわけではなく、現実の世界をファンタジックに置き換えて見ていた類です。いつか学校全体が異世界にワープして、生徒全員が...[続きを読む]

ゼロ・グラビティ

「百聞は一見に如かず」という言葉のとおり、テレビの映像や書籍での詳しい解説、見てきた人からの伝聞よりも、実際に自分で現地に赴き自分の目で確かめることほど印象に残ることはありません。「感動的」とか「圧倒的」とか銘打って紹介されている世界各地の名勝がまさにそうで、僕自身それほど多くない国内外の旅行から言葉に表せられないほどの感動を得た経験があります。伊勢神宮の神秘性と崇高さ、中国・西安の兵馬俑で感じた...[続きを読む]

ザ・フォッグ

霧が街を覆い尽くすと聞いただけで、その向こうから世にも怖ろしい悪鬼がやって来て住民を皆殺しにするような、深い恐怖に身が竦んでしまうのは別にホラー映画の見過ぎでも何でもない、ごく自然な心理作用です。ここで言う霧とは、早朝に視界が薄い乳白色に曇る程度の霧のことではなく、まるで煙幕を張られたように真っ白い気体に周囲を覆われて視界がゼロになる霧のこと。僕はそういう霧には遭遇したことはありませんが、昼夜の寒...[続きを読む]

幸せはシャンソニア劇場から

「シャンソン」と聞くと、日本で言う歌謡曲とか演歌とかの年配者向けの懐メロのことなのかなと勝手に思い込んでいました。ですが、調べてみたらそもそもシャンソン(chanson)はフランス語で「歌」を意味し、特定ジャンルの楽曲を指すものではないとのこと。では、現代も含めたフランスの歌は、押しなべて軽快なアコーディオンの音色に乗せた伸びやかな歌声のものかというとそうでもないわけで(詳しく知っているわけではな...[続きを読む]

水曜日のエミリア

この映画のキーワードとなっている「SIDS」とは、乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome)の略であり、それまで元気だった赤ちゃんが眠っている間に突然死亡してしまう病気とのこと(病気かどうかで異論がある)。日本での発症頻度はおよそ6,000~7,000人に1人と推定され、生後2ヵ月から6ヵ月に多いようですが、注意しなければいけないのは原因がまだわかっていないとい...[続きを読む]