カンパニー・メン

身近で起きた経済事件という意味では、2008年のリーマン・ショックは平成のバブル崩壊に比べればインパクトは大きくなかったのですが、世界に与えた影響という面から見つめ直してみるとリーマン・ショックのほうがはるかに甚大でした。アメリカの低所得者向けのサブプライムローンをリーマン・ブラザーズをはじめとした証券会社が目をつけ、証券化し世界中の投資家に販売しました。ですが、その信頼性に疑問符をつけた投資家が...[続きを読む]

50/50 フィフティ・フィフティ

2012年にがんで死亡した人は36万例にのぼり、男性が47万例、女性が34万例だそうです。死亡数が多い部位は、男性が肺、胃、大腸の順で、女性は大腸、肺、胃となり、男女ともに同じような部位ががんに罹患していることがわかりますが、大きな違いといえば女性が5位に乳房に来ているくらいで、部位別では男女差はほぼないことが見て取れます。ただ、年齡によるがん死亡を見てみると、男女差の違いが見えてきます。男性は、...[続きを読む]

ミュンヘン

1948年のイスラエル建国宣言以降、イスラエルと周辺アラブ諸国との間では数えきれないほどの戦闘が繰り広げられています。イスラエル建国は、かつてその地に住んでいて、いまはパレスチナ自治区と呼ばれる区域に押し込まれているパレスチナ難民をはじめ、当時の列強と国連の事なかれ主義による取り決めにより、聖地(エルサレムはキリスト、ユダヤ、イスラムの聖地であるが)を異教徒(ユダヤ人)に奪われたアラブ人の強い反発...[続きを読む]

アルティメット

冒頭から10分観ればすぐにわかりますが、この映画は少年マンガそのものです。悪い奴らに因縁をつけられ一度は撃退すれど、大切な人を人質に取られ立場が一転してしまい窮地に陥ってしまう。臥薪嘗胆しながら人質の奪還のタイミングを待ち続けるうち、本来なら敵対関係にある人から協力を求められる。初めは互いに警戒して連携はぎこちないが、敵の本拠に乗り込んで戦っているうちに次第に両者の壁は氷解し、信頼を基にしたチーム...[続きを読む]

マンマ・ミーア!

ABBAが活躍した年代は1970年代半ば~80年代初頭といいますから、僕はリアルタイムで彼らの音楽に接してはいませんし、全世界的に大フィーバーを巻き起こしたということも知りません。僕が初めて世界的なアーティストとして知ったのはマイケル・ジャクソンですから、彼らに熱狂したのはちょうど僕の親か、それよりちょっと若い世代の人たちだったのでしょう。そういえば、僕が初めてABBAを知ったのは、CDプレーヤー...[続きを読む]

レスラー

プロレスは好きで、よくテレビ放送を観ていました。僕が観ていたのは、ジャイアント馬場やアントニオ猪木、天龍源一郎、ジャンボ鶴田、藤波辰爾、長州力らの昭和世代のひとつ上に当たる世代が大暴れしていた時期。もっぱらテレビ観戦だったので、観ていたのは全日本プロレス(のちプロレスリング・ノア)と新日本プロレスというメジャー団体だけでした。全日本は守旧的で非対外的だったけど堅実で正統派のプロレスを見せてくれ、一...[続きを読む]

マグノリア

いつもはうまくいっていたこと、あるいはいつもだったら気にもかけないほど普通にできていたことが、ある時なんらかの理由でできなくなってしまったら、誰だってパニックに陥ります。それは、いつもは冷静だとか完璧主義者だと言われている人にこそ顕著で、普段は物静かで言動で目立つことはないのに、突然顔が上気して金切り声を上げたりデスクを拳でドンドン叩いたりするという場面というのは往々にして遭遇するものではないかと...[続きを読む]

地下鉄のザジ

田舎生まれの僕にとって東京そのものもそうですが、発達した交通機関にはちょっとした恐怖を持っていました。高速道路なんかは道路の上にまた道路が敷かれているし、地元をかすりもしない新幹線はその発着点となっていてビュンビュン走っているし、地元で時間帯によっては1時間に1本しかないバスは10分おきくらいにしかも定額で運行されているし、電車に限っては路線図を見ても何がなんだかさっぱりわからない。とにかく、東京...[続きを読む]

イップ・マン 葉問

ストーリーは非常にわかりやすい勧善懲悪ものです。高潔な武術の達人がライバルとしのぎを削りながらも友情を育んでいき、最終的には彼らの誇りである武術、さらには民族を侮辱してやまない西洋人と対立しこれに打ち勝つ。まさに、子供の頃によく観たアニメや特撮のヒーローそのもので、初めて観た作品ですがどこかで観たことのあるような懐かしい心持ちにさせられましたし、この映画に共感した人は僕と似たような感想を持ったこと...[続きを読む]

プルーフ・オブ・ライフ

会社のプロジェクトに携わっている南米のとある国にて、武装ゲリラ集団に誘拐されたエンジニアのピーター。彼を救出すべく敏腕交渉人テリーが、ゲリラと無線での交信を通して居場所の手がかりを掴んでいくと同時に、ピーターのプルーフ・オブ・ライフ(生きていることの証明)を確保していきます。交渉人としてはゲリラ側とピーターの引き渡し交渉すること自体をピーターが生きているという事実として捉えるわけですが、反対にゲリ...[続きを読む]