ビートルジュース

小学校1年か2年の頃だったと思いますが、当時仲の良かった友だちと「死んだらどうなるんだろうね」という話で盛り上がった記憶があります。所詮子どもが話題にするなので、死ぬときの苦しみや残していく人たちに対する惜別の情などを俎上に上げることなどするはずもなく、ただひたすら死後の世界についてだけ、あることないこと面白おかしく話していただけ。死後の世界、つまり死んだら天国に行くのかそれとも地獄に落ちるのか、...[続きを読む]

デジャヴ

実際は経験したことないのにどこかで経験したと感じてしまう「デジャヴ」という現象は、特別な心理状態や限界環境にあるなしに関わらず誰もが体験したことのある、ごく身近な現象と言えると思います。ふと「あれ、なんか前にも同じことあったような」と感じる瞬間というのは、ちょっとした霊的体験にも似た焦燥感や不安に駆られるものですが、だいたいのところ深く考えず「ま、いいか」で済まして忘れてしまうもの。痛みや体の不調...[続きを読む]

96時間/リベンジ

アクションものには、犯人や展開が最後までわからないサスペンス的要素が重視されているものと、とにかくわかりやすい敵を設定して派手なカーチェイスや銃撃戦で追い詰めていくというものにわかれると思いますが、本作は明らかに後者です。しかも、敵がそんなに強くないので、わざわざ主人公ブライアンの元妻レノーアと娘キムが捕まりに行ってあげて危機感を募らせるという展開になっています。いや、実際のプロットではそんなつも...[続きを読む]

アイ・アム・サム

知能障害を持った男性サムは、ある日ひょんなことから娘を授かりますが、相手の女性は養育を放棄して逃亡。ルーシーと名づけた彼女を育てることとなったサムは、同じく障害を抱えた仲間や自閉症の隣人に支えられながら、ルーシーとの幸せな生活を送っていきます。しかし、7歳程度の知能しかないサムに対して利発で賢いルーシー。サムには7歳を迎えたルーシーを養育していく能力がないとソーシャルワーカーに判断され、ルーシーは...[続きを読む]

サラエボの花

その複雑な民族構成からモザイク国家と言われたユーゴスラビア。1990年近くになってソ連が民主化へと舵を切りだすと、東側諸国を中心に共産主義が否定されはじめ、ユーゴスラビアにおいてもセルビアやクロアチア系などが民族自決を唱えだします。そんな中、セルビア共和国のミロシェビッチ大統領がアルバニア系住民の多いコソボを併合しようとすると、コソボは反発して独立を宣言。これをきっかけにユーゴスラビアは内戦状態に...[続きを読む]

ホワイトハウス・ダウン

本来自分はまったく無関係なのに、たまたまその場に居合わせただけで一国の命運を左右する事態に巻き込まれていく。アクション映画ではよくある設定ですが、こうした事態が現実として発生し、その行く末があなたに委ねられたとしたら、もうポップコーンを片手に客観的に見てはいられなくなります。どういうシチュエーションを想定するかにもよりますが、たとえば異星人の襲来、巨大地震の発生、サイバーテロで国家機能が完全麻痺な...[続きを読む]

ディック&ジェーン 復讐は最高!

会社が突然倒産したりリストラされたりして失業するという悪夢は、どんなサラリーマンにもあり得ることであり、それは大企業に務めるエリートと呼ばれる高給取りでも同じこと。殊に、バブル崩壊後、日本型の終身雇用制が崩壊し、欧米並みに人員整理が非情になった雇用事情を鑑みればなおさらです。完全失業率がどんどん上がっていくと同時に、自殺者数も増加していったことを無視することはできません。1998年に自殺者数年間3...[続きを読む]

パラダイス・ナウ

テレビやネットを見ていると、よく「イスラエルで自爆テロ、○○人が死亡」とか「イスラエル軍がパレスチナ自治区に報復攻撃」などというニュースに遭遇します。彼の地から遠く離れた日本に住んでいる僕らには、どこぞの国同士が戦争しているのかなどと思ってしまいますが、「パレスチナ問題」と呼ばれるこの争いは国同士ではなく、国を持つ者と持たない者との争いです。エルサレムを中心としたパレスチナという土地ではもともとア...[続きを読む]

ワールド・ウォーZ

たとえば、仕事で電話に対応している時、上司から何時にどこそこでミーティングをするという指示が口頭であったとします。とっさのことだったので急いでメモ用紙とペンを探しますが、どこだったかあちこち見回しても見当たりません。そうこうしているうちにミーティングの時間と場所を忘れてしまい、怖い上司に大目玉を食らってしまう。こうなったら、もう頭の中が真っ白です。記憶することなどできようがなく、ひたすらメモ用紙と...[続きを読む]

Dr.パルナサスの鏡

豊島園だったかどこだったかは忘れましたが、ジェットコースターやフライングパイレーツ、メリーゴーランドなどの遊園地の花型とも言える乗り物に衆目が集まる一方、僕は鏡の小屋(たしかミラーハウスという名前だったような)が好きでした。中に入ると、鏡だらけで自分の姿が奥行きを持ってあちこちに映っていて面白かったこと以上に、進んでいくにつれ次第にこの狭い部屋の中にいることを忘れ、まったく別の世界に降り立ったよう...[続きを読む]