タグ別アーカイブ: エド・ハリス

僕はラジオ

知的障害者と聞くと、つねに「あーあー、うーうー」と唸っていて、突然癇癪を爆発させて暴れだすという負のイメージが抜けきりません。僕が小学校、中学校の頃にこういう生徒がいて、幾度となくそうした様子を目撃してきた経験が強く作用しているからでしょう。結局彼らは、健常者と一緒に学校生活を送ることができず養護施設に入れられたということも、僕が彼らを理解することができない要因のひとつだったかと思います。先生の指...[続きを読む]

トゥルーマン・ショー

街中、電車の中、会社の中など、多くの人がいるところに身を置くと、「誰かに見られている」気がする。そうでなくとも、自室でひとりでいたとしても、背後から見つめられている感じがすることがある。こうした感覚のことを「注察妄想」といいますが、さらにその思い込みがエスカレートすると、のぞき見されている、監視されている、尾行されている、盗聴や盗撮されているなどという「追跡妄想」のほうへ発展していきます。「妄想」...[続きを読む]

アポロ13

宇宙開発事業関連の事故で、僕が知っている中でもっとも鮮明に覚えているのが、1986年のスペースシャトル・チャレンジャー号の事故です。打ち上げから73秒後に空中分解し、7名の乗組員が死亡したという凄惨な事故だったわけですが、テレビのニュースで何度も伝えられたことから、当時小学生だった僕の脳裏にその映像はくっきりと焼き付けられました。低温によるOリングの弾性喪失や設計ミスで燃料が漏れたことが原因だった...[続きを読む]

ウェイバック -脱出6500km-

ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ著『竹林はるか遠く』という、ベストセラーとなった本があります。この本は、第二次世界大戦において日本の敗色が濃厚となった1945年の夏、ソ連が日ソ中立条約を一方的に破棄して対日参戦を開始した頃の話で、当時朝鮮北部の羅南に住んでいた日本人一家が日本まで決死の逃避行を繰り広げるというものです。羅南から京城、釜山まで、貨物列車に便乗させてもらいながら内地を目指しますが、列車の荷...[続きを読む]