96時間/リベンジ

(2012年 / フランス)

イスタンブールで休暇を迎えた元CIA秘密工作員のブライアン。彼は、ホテルで元妻のレノーアと娘キムとともに家族水入らずで過ごし絆を取り戻そうとしていた。ところが、かつて彼に息子を殺されたアルバニア系犯罪組織のボスが密かに復讐計画を実行する。

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96時間/リベンジ

アクションものには、犯人や展開が最後までわからないサスペンス的要素が重視されているものと、とにかくわかりやすい敵を設定して派手なカーチェイスや銃撃戦で追い詰めていくというものにわかれると思いますが、本作は明らかに後者です。しかも、敵がそんなに強くないので、わざわざ主人公ブライアンの元妻レノーアと娘キムが捕まりに行ってあげて危機感を募らせるという展開になっています。いや、実際のプロットではそんなつもりではなかったのでしょうが、旅行先のイスタンブールで、3人揃って外出するつもりが、ホテルのロビーまで出て来たのに突然時差ボケで疲れてるとか理由をつけて1人がホテルの部屋で待機することになると、この時点で、「あ、この人捕まる」もしくは「トラブルに巻き込まれる」と想像力が働くわけです。で、実際そうなります。

いや、想像力とも言えないかもしれません。映画やテレビドラマでよく見る例のお約束とでも言いましょうか。シナリオを勉強し始めて最初のほうで教わる、ストーリーの転回点の創出。どんな作品にも事態が一変するきっかけとなるシーンがあるわけで、そのパターンはほぼ同じです。面白い映画ほど、そうした基礎的なシーンを自然に描いているのです。さて、一緒に行動しているところを強引に誘拐されるという筋書きは初心者でもしない失策ですが、前兆を見せた上で何らかの理由で別れるならまだしも、取ってつけたような理由で別れて捕まるのですから商業作品としてどうなのかなと気になってしまいます。本作ではカーチェイスしてる最中、「奴らの狙いは俺だ」と言って妻をその場から逃げして捕まってしまうのですから、ちょっと、ね。

それはいいとしても、ブライアンが強すぎるので敵との格闘・銃撃ではまったくと言っていいほど焦りを感じません。逆に、こういう展開になったらブライアンの勝ちだと確信できてしまいます。なにしろ、前作であれほどの最強っぷりを見せつけられているわけで、敵がガンダム並みの超高性能破壊兵器でも投入しない限り、こちらが危機感を感じることはないのです。もちろん、ブライアンが負けるはずがないのはわかっているので、常人であるレノーアやキムをヤバい状態に追い込まないとこちらもつられないわけですが、たとえそうなってもブライアンがたちどころに解決してしまいます。首に傷を付けられ逆さ吊りにされたレノーアが失血死するまで30分らしいのですが、ものの数分で救出。キムに至ってはブライアンの特殊工作員並みの指令を瞬時に理解し、それを実行してしまっています。

突っ込みどころはまだまだあるのですが、このへんにしておきます。というのも、わかりやすい敵をスポーツカーやハイテク銃で追い詰めるタイプのアクション映画には、観劇する上で「あまり深く考えるな」という暗黙の了解があるからです。カーチェイスの疾走感、迫力の銃撃戦、異国情緒ただよう街並みという映像的な三拍子があり、最後まで飽きずに観られればそれでいいのです。それにしても、次回作はあるのでしょうか。もしあるとしたら、次こそ人類を超えた最終兵器を出さないとさすがに飽きられるのではとちょっと心配です。


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