ハングオーバー!

(2009年 / アメリカ)

結婚式を2日後に控え、新郎のダグは独身最後の夜を満喫すべく、友人たちとラスベガスの高級ホテルのスイートで散々バカ騒ぎをして楽しんだ。しかし翌朝二日酔いから目覚めると、部屋は荒れ新郎の姿は消えていた。

記憶に残っていいことと悪いこと

ハングオーバー!

僕は酒がほとんど飲めません。飲めてもジョッキでビール1杯が限界で、それ以上飲むと、顔が真っ赤に充血し呼吸が困難になって、頭が重くなって立ち上がることもできなくなってしまいます。というわけで、僕は飲み会では最初の乾杯で付き合う生ビール1杯だけで勘弁してもらい、あとはコーラとカルピスとかのソフトドリンクオンリーとさせて頂いているのです。社会人になってからは、訪問営業系などの体育会系企業に務めたことはないこともあり、さすがに酒席でビールだけでなく日本酒やウィスキーなどを強要されたことはないのですが、学生時代はかなり面倒な目に遭いました。当時は一気飲み強要が横行していた以前ほどではないにせよ、飲み会の席でソフトドリンクなんて白眼視される対象だったため、飲めないとハブられるという圧迫感がありました。もともと家系的に酒が飲めないなので、飲んでも飲んでも一向に強くならず(それでも多少は飲めるようになりましたが)、気分が悪そうなのを憐れみて解放してもらうというパターンが続きました。

だから、学生時代の飲み会なんてちっとも面白くなかったです。2、3人の仲間と好きなものを飲み食いする場は別として、何かの集まりでの飲み会は参加するのが本当に苦痛でした。学生同士のみならず、僕が学生だということで飲むクチと勘違いされて、というか飲む雰囲気にさせられて、さかんに勧めてこられるのも迷惑以外の何物でもありませんでした。それに、飲み会特有のバカ騒ぎについていけず、30分を過ぎたあたりの馴れ合いの雰囲気が何とも嫌でした。それにいちばん腹が立ったのが、しらふだということで泥酔者の処理を任されて放置されること。これには腹の底から憤激したものです。いつしか、そんなノリに決定的な嫌気が差し、僕は一切の飲み会を断るようになり、酒を飲まずともコミュニケーションが取れる、ほんのひと握りの人としか付き合わなくなりました。

酒を飲んで何が楽しいのでしょう。おそらく、酒という潤滑油が加わると、初対面の人とでも打ち解けて話せるようになり、異性とも緊張感をほぐした状態で話すことができ、会社の上司や取引先などとも対等の立場で腹を割って話せるようになるからでしょう。こういう効果を酒がもたらしてくれるからこそ、日本に「ノミニケーション」なんていう造語があるわけだし、たしかに僕もそういう恩恵に預かったことがあるので、酒の効用が大きいことは認めます。ただ、気になるのは、酒に依存しきってしまうと、酒の力を借りられない場面においてたちどころに馬脚を現すことになってしまうのではないかということです。アルコール中毒はまた別にして、酒の席ではあれだけ雄弁だったのに肝心の商談の場で頭が回わないなんてことになったら元も子もありません。飲み会で本音を語れば語るほど、化けの皮が剥がれると言いますか、その人の底の浅さが露呈するということにはならないでしょうか。だって、だいたいそういう時に言うことって愚痴や悪口なわけですから、それを酒を介してしか言えないという脆弱さを曝け出していることと同じなのですから。

それにもうひとつ酒についてまわる事象があります。それは酒を飲まない僕が一度も体験したことがない「二日酔い」です。話を聞くと、相当辛いようです。激しい頭痛に加えて、記憶を一時的に喪失してしまうこともあるとのことで、本当に前夜何を話し誰といたのか、まったく覚えていないことがあるとも聞きます。記憶が飛んだということはそれだけ酒を飲んで記憶障害になったということなのでしょうけど、そういう体験談を聞けば聞くほど酒に対して忌避感が生じてきてしまいます。だって、酒の力を借りて、やっとこさ本音を語って相手に理解してもらったところで、酒に潰されてしまい記憶を失ってしまったら何が残るというのでしょうか。相手に何も聞いていないと証言されてしまったら反証する術はないわけで、せっかくの大演説が台無しではないですか。加えて、二日酔い当日は家族や職場に迷惑をかけるという。純粋な酒好きで節度を弁えて飲んでいる人、社交の嗜みとして楽しんでいる人なら文句はいいません。僕がいちばんやめてほしいのが、酔いつぶれてバカ騒ぎして絡んできて後始末を丸投げにして、しかも翌日まったく覚えていないという最低のパターン。そういう酒自体を楽しむことができない奴は社会性がないとして処罰されるべきだとも思っています。

この映画はそんな話です。映画だから面白おかしくつくっていますが、観る人が観れば、酒席で絶対に同席したくない、あのウザいやつを思い浮かべることでしょう。こういう記憶こそ「覚えてない」ことになればいいのですが。


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