ショーシャンクの空に

(1994年 / アメリカ)

ショーシャンク刑務所に、銀行の若き副頭取だったアンディ・デュフレーンが、妻と間男を殺害した罪で入所してきた。最初は刑務所の「しきたり」にも逆らい孤立していたアンディだったが、刑務所内の古株で“調達係 ”のレッドは彼に他の受刑者達とは違う何かを感じていた。

脱獄後の人生設計は慎重に

ショーシャンクの空に

それまでごく普通の生活をしていたのに、ある日ふと魔が差して何かの罪を犯してしまい、刑務所で長期間服役することになったとします。所内では、犯した罪に対する悔恨の情と被害者への謝罪の気持ちを胸にしつつ、刑務官の指示をよく守り、また他の受刑者とトラブルを犯すことなく、日々の作業に取り組みます。その後、そうした真面目な態度が認められ改悛の意思があると判断されたため、仮釈放がかなったとしましょう。その際、ここでは仮釈放後の保護観察などは無視することとして、本人の意志のままに自由な行動が取れるものと仮定しますが、ではいったい刑務所から出て真っ先にしたいこととは何でしょうか。

被害者宅に謝りに行きたい、家族や恋人のもとへ行きたい、受刑前の仕事に戻りたい、刑務の経験を活かして起業したい、人生を一からやり直したい、自分探しの旅に出たい、簡単な仕事からでも社会復帰したい、とりあえず外の空気を吸いたいなど、いろいろ考えられると思います。それに、刑務所で過ごした期間の長短によっても傾向が異なってくるはずで、比較的短かった場合は希望を持って自分の好きなことに取り掛かりたいと思うでしょうし、その反対に30年40年の長期服役していたら社会に復帰したいなどと考えられなくなっているかもしれません。たとえ、どれだけ服役していても就職や社会的機会に障害が発生することはないと仮定しても同じことだと思います。

人間、だけでなく他の生物もそうですが、一旦ある環境に身を置き、そこでの生活が確立されてしまうと、環境が一変した時に即時に順応することは容易なことではありません。転勤などで国内の別の街に引っ越すことでさえ、移転先に慣れるのに時間がかかるのに、外国、それも日本にあったインフラがほとんどない場所だとしたら大変です。なんとか慣れようと努力するも、危機管理能力というかサバイバル思考を駆使することになるので一日一日、とても疲れるだろうと想像できます。だから、長期服役していた受刑者がたとえ仮釈放されたとしても、長年コンタクトを取っていなかった外の世界(一般社会)に順応できず、刑務所での生活のほうが快適だと考えて再犯に走ってしまうというのも頷けます。

この映画の主人公アンディもそのうちのひとりです。彼は銀行員しての知識と見識の深さを買われ、刑務所長をはじめるする刑務官、他の受刑者たちからも信頼を寄せられながら服役期間を過ごします。所内ではホモに襲われる以外、苦しい日々を送っている描写があまり見られなかったのは、彼が刑務官からいろいろと便宜を図ってもらっていたからなのかもしれません。ともあれ、そうやって周りから一目置かれつつも、彼は密かに脱獄計画を練り、見事に成功させます。

ここで終劇するのですが、気になったのは彼のその後の生活。脱獄に成功しメキシコの港町で生活を始めるのですが、自由の身になったとはいえ、何十年も刑務所生活を送った後なので、果たして社会に順応できるのかと気になります。大金さえあればいいという話ではないですし。映画なのでそんな細かいこと気にかけず脱獄して自由になった爽快感だけ味わっておけばいいということですが、私が言いたかったのは、脱獄したものの社会復帰かなわず刑務所生活が恋しくなって再犯を犯してしまうケースもあるのだろうかということです。


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