カテゴリー別アーカイブ: ドラマ

バーレスク

音楽番組などで歌手やバンドのことを指す時、「アーティスト」という言い方をするのをよく耳にします。アーティスト、つまり芸術家のことですが、何か違和感を感じるのは僕だけでしょうか。たしかに音楽はアート(芸術)の一形態であって、それを形作るボーカリスト、ギタリスト、ベーシスト、ドラマー、キーボードプレイヤー、ディスクジョッキーなどのことをアーティストと呼ぶのは理屈の上では間違っていないのかもしれません。...[続きを読む]

潜水服は蝶の夢を見る

小学校3年生か4年生の頃だったかと思いますが、友だちと小学校近くの公園で遊んでいた時のことです。その公園は野球場とサッカー場が併設された地区でいちばん大きな公園で、休日はもちろん、平日でも放課後ともなればそこかしこから子供の甲高い声が聞こえてくるほど人気の場所でした。そこはどちらかと言うと運動場がメインで、ブランコやジャングルジムなどの遊具が設置されたエリアはやや離れた小高い丘の上にありました。と...[続きを読む]

運動靴と赤い金魚

かなり前の話ですが、とあるポータルサイトが運営しているブログの登録者限定で、期間中にできるだけたくさんのアクセスを集めると、上位10位以内に入ったサイトの運営者に景品を進呈するという企画がありました。アクセスソースは何でもよく、とにかくいかに多くのユーザーを引っ張ってこられるかが問われたため、大票田を持っている人は言うまでもなく、持ってない人も掲示板やQ&Aサイトなど幅広い層のユーザーが集まるウェ...[続きを読む]

ボーダー

「ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノという2大スターの豪華共演」。このキャッチコピーで心奪われた人は多いでしょう。それはなにも、以前から彼らふたりのファンだったかどうかは関係ありません。どんな映画でも単体で主役を張れる実力派俳優、往年の名作に出演して名優の称号をほしいままにした伝説的俳優など、誰もが知っている俳優がふたりも同じ作品に出演しているというだけで、無性にワクワクしてくるのは当然です。こ...[続きを読む]

ハゲタカ

僕が大学受験をする際、全大学が掲載された分厚い本をめくりながら、どこに願書を送ろうかとかなり念入りに調べた記憶はありますが、どの学部にしようかと深く考えたことはありませんでした。学部の第一志望は国際関係、第二志望は法律で固まっており、受講できる講義の内容を精査(といってもどこも大差ありませんでしたが)するだけで、あとの焦点は大学選びに移っていきました。同級生もこのあたりは僕と同じような状態で、俺は...[続きを読む]

この道は母へとつづく

やはり母ものは鉄板です。我が子を思う母のいたいけな姿を活写した作品はもちろん、まだ小学校にも上がっていない幼い子供が見ず知らずの土地まで母親を探しに旅をする話だなんて、聞いただけでも涙腺が緩くなるのが人情というものでしょう。なぜそんなにまで母親をテーマにした作品が受けるのかというと、要するに、ほとんどの人が幼児期に感じた「母性愛」というものが大人になってもずっと記憶に残っているからです。では、その...[続きを読む]

ショーシャンクの空に

それまでごく普通の生活をしていたのに、ある日ふと魔が差して何かの罪を犯してしまい、刑務所で長期間服役することになったとします。所内では、犯した罪に対する悔恨の情と被害者への謝罪の気持ちを胸にしつつ、刑務官の指示をよく守り、また他の受刑者とトラブルを犯すことなく、日々の作業に取り組みます。その後、そうした真面目な態度が認められ改悛の意思があると判断されたため、仮釈放がかなったとしましょう。その際、こ...[続きを読む]

アイ・アム・サム

知能障害を持った男性サムは、ある日ひょんなことから娘を授かりますが、相手の女性は養育を放棄して逃亡。ルーシーと名づけた彼女を育てることとなったサムは、同じく障害を抱えた仲間や自閉症の隣人に支えられながら、ルーシーとの幸せな生活を送っていきます。しかし、7歳程度の知能しかないサムに対して利発で賢いルーシー。サムには7歳を迎えたルーシーを養育していく能力がないとソーシャルワーカーに判断され、ルーシーは...[続きを読む]

サラエボの花

その複雑な民族構成からモザイク国家と言われたユーゴスラビア。1990年近くになってソ連が民主化へと舵を切りだすと、東側諸国を中心に共産主義が否定されはじめ、ユーゴスラビアにおいてもセルビアやクロアチア系などが民族自決を唱えだします。そんな中、セルビア共和国のミロシェビッチ大統領がアルバニア系住民の多いコソボを併合しようとすると、コソボは反発して独立を宣言。これをきっかけにユーゴスラビアは内戦状態に...[続きを読む]

パラダイス・ナウ

テレビやネットを見ていると、よく「イスラエルで自爆テロ、○○人が死亡」とか「イスラエル軍がパレスチナ自治区に報復攻撃」などというニュースに遭遇します。彼の地から遠く離れた日本に住んでいる僕らには、どこぞの国同士が戦争しているのかなどと思ってしまいますが、「パレスチナ問題」と呼ばれるこの争いは国同士ではなく、国を持つ者と持たない者との争いです。エルサレムを中心としたパレスチナという土地ではもともとア...[続きを読む]