僕が思春期だった頃を重ね合わせながら観てました。リアルな生活感から距離をおいて、ちょっと離れたところから、それもこっそりと壁から顔を半分覗かせて物事を俯瞰しているような、お世辞にも爽やかとはいえなかった思春期。頭の中にあるのは「こうだったらいい」という空想だけで、目に見えたものをダイレクトに受け取って、それをリアルな人間関係に落とし込むということはしなかった、というより、できませんでした。僕の葬式...[続きを読む]
忘れ去られた頃合いの映画を観ることが生きがい。すでに語り尽された旧作映画をいまさらながら評論するエッセイ集です。