「吸血鬼」と聞けば、条件反射的にドラキュラ伯爵をイメージする人は多いでしょう。かくいう僕もそうです。でも、それと同時に、ドラキュラは創作における架空の人物であり、ひいては吸血鬼自体が想像上の産物であると連鎖的に思い浮かべることと思います。それはおそらく正しい認識のはずです。ドラキュラの出自が小説であることは言うまでもなく、吸血鬼は狼男やフランケンシュタインと同じように、世界中で知られている怪物では...[続きを読む]
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オーシャンズ11
泥棒とか盗賊というのは常識的に考えれば憎むべき反社会的な存在でありますが、テレビドラマやアニメでは「弱い者の味方」として描かれることがよくあります。彼らがやっていることは「人の物を盗む」ことに違いないのですが、それが結果的には弱い立場の人たちを救うことになるから主役になり得るというわけです。不当にぶん取られた資産を取り戻してくれたり、過度に税を取り立てる為政者から金品を盗んで民衆に還元したり、こう...[続きを読む]
テルマ&ルイーズ
「しがらみ」という言葉を聞いて、プラスかマイナスどちらかのイメージを抱くかと言えば、圧倒的に後者のほうでしょう。おそらくほとんどの人が、拘束とか束縛といった全身が粟立つような強い嫌悪感を想起するものと思います。実際、しがらみには、まとわりつくもの、邪魔をするものといった意味があり、腐れ縁などと言い換えることもできます。このように、どう考えてもポジティブに捉えることのできない、しがらみ。身近な例とし...[続きを読む]
フューリー
第二次世界大戦における西部戦線、1944年のノルマンディー上陸作戦を契機に戦局が大きく動きます。最終的に200万人を越す兵員を動員したこの作戦は「史上最大の作戦」として有名であり、現在に至るまで史上最大規模の作戦として知られていることは事実です。作戦は6月6日に発動。ノルマンディーに上陸した連合軍は、ドイツ軍の激しい抵抗の中、8月25日にパリを解放すると、フランス、ベルギーを開放し、ドイツ国境に迫...[続きを読む]
マネーボール
いまとなってはすっかり関心を失ってしまったのですが、僕は学生時代、熱狂的なプロ野球ファンでした。好きな球団は読売巨人軍で、テレビ中継での観戦は欠かさなかったのはもちろんのこと、延長戦になってテレビ中継が終わってもラジオをつけて戦況に一喜一憂するという熱の入れよう。さすがに全試合というわけではありませんでしたが、オープン戦含め、ペナントレース開幕から終盤にかけて、テレビ中継があれば必ずチャンネルを合...[続きを読む]
Mr.&Mrs.スミス
夫婦喧嘩のよくある原因として、「言葉使いや物言い」「生活態度」「家事」「金銭」などがあげられるそうです。これは別に夫婦に限らず、家族や恋人、また友人の間においてもあり得ることではありますが、やはり、まったくの赤の他人同士が法律上固く結ばれた関係となった夫婦の場合では、様相を異にするわけです。僕は独身なので実感ではなく想像でしか言えませんが、恋人や友人という関係と比べて、世間の視線がまったく別のもの...[続きを読む]
ファイト・クラブ
自分自身に対して腹を立てて、自らの頬を自らの拳で殴ることがよくあります。できると思ったことができなかったり、思った通りに事が進まなかったり、たいていは幼稚な理由からなのですが、とにかくカッとなったら、身の回りにある物ではなく、攻撃の対象を自分自身に向けてしまうのです。どの程度まで殴るかというと、さすがに脳震盪を起こしたり顔にアザができるまではやりませんが、痛みがじーんと脳髄まで到達して軽く足元がふ...[続きを読む]
セブン・イヤーズ・イン・チベット
ヒマラヤ山脈の北側に広がる、平均海抜4,500mのチベット高原。「世界の屋根」と呼ばれるその高原地帯では、牧畜や農耕をなりわいとし、主に仏教を信仰するチベット人が600万人ほど暮らしています。そこには「チベット」という独立国家が存在していました。しかし、現在、国家としてのチベットは存在しません。1950年秋、成立間もない中華人民共和国は、チベット東部チャムド地区への攻撃を皮切りに、本格的な侵攻を開...[続きを読む]
ワールド・ウォーZ
たとえば、仕事で電話に対応している時、上司から何時にどこそこでミーティングをするという指示が口頭であったとします。とっさのことだったので急いでメモ用紙とペンを探しますが、どこだったかあちこち見回しても見当たりません。そうこうしているうちにミーティングの時間と場所を忘れてしまい、怖い上司に大目玉を食らってしまう。こうなったら、もう頭の中が真っ白です。記憶することなどできようがなく、ひたすらメモ用紙と...[続きを読む]
ベンジャミン・バトン 数奇な人生
僕は年相応に見られることがありません。10歳くらい若く見られることが多いです。若く見られるんなら老けて見られるより全然マシじゃん、と思われたかもしれません。僕もある時期まではそう思っていました。初対面の人に「何歳に見えます?」と聞いて、思惑通り実年齢より若く見られたあと「実は○○歳です」としたり顔で正解を告げた時、相手が「えー」と驚くのが小気味よくて仕方ありませんでした。しかし、考え方を改めてから...[続きを読む]