「ひと思いに出かけてしまって、ほんとによかったと思っている。人間の心なんて、へんなものだね、君。ぼくがこれほどにも愛していて離れがたく思っていた君とわかれて、しかも朗らかにしていられるんだから。むろん君にはゆるしてもらえるだろうね」。この出だしからスタートする『若きウェルテルの悩み』は、1774年の初版以来、恋破れた青年の誰もが手に取り、そして誰もが共感した悲恋小説の古典として全世界で知られていま...[続きを読む]
忘れ去られた頃合いの映画を観ることが生きがい。すでに語り尽された旧作映画をいまさらながら評論するエッセイ集です。
「ひと思いに出かけてしまって、ほんとによかったと思っている。人間の心なんて、へんなものだね、君。ぼくがこれほどにも愛していて離れがたく思っていた君とわかれて、しかも朗らかにしていられるんだから。むろん君にはゆるしてもらえるだろうね」。この出だしからスタートする『若きウェルテルの悩み』は、1774年の初版以来、恋破れた青年の誰もが手に取り、そして誰もが共感した悲恋小説の古典として全世界で知られていま...[続きを読む]