「なかなかいい映画に出逢えない!」
「自分だけが知ってる良作が欲しい!」
「新作に失望した!」
そんな方へのおすすめ旧作映画を紹介していきます。
忘れ去られた頃合いの映画を観ることが生きがい。すでに語り尽された旧作映画をいまさらながら評論するエッセイ集です。
「なかなかいい映画に出逢えない!」
「自分だけが知ってる良作が欲しい!」
「新作に失望した!」
そんな方へのおすすめ旧作映画を紹介していきます。
ほんの小さな気まぐれがいつしか後戻りできなくなり、取り返しの付かない結果を生み出してしまう。人間の心理とはこれほどまでに単純なものなのかと思ってしまいますが、僕らが人間であるかぎり継続していくことを思うと、身震いせずにはいられません。
北朝鮮の人、かわいそう。そう思いはすれど、観終わったらケロッと忘れて、豪奢、飽食に耽る。そんなあなたの姿を脱北者はどう見るか、想像したことはあるだろうか。家族を守るため国を捨てた父と、父を追って脱北を企てる息子の姿に、日本の行く末を重ね合わせてほしい!
同性愛という異質な激情に溺れてしまった主人公アイリーンは、愛するセルビーのため強盗殺人を繰り返していく。行き着くところまで行ってしまい、もう後戻りできない状況になったとき、人間はどうするのか。心をえぐる衝撃作!
ストーリーはシンプルなのですが、テンポが良く、細かい演技や人物設定、小物の使い方が実にコミカルでキュート。「これぞフランス映画!」と言えるギミックが満載で、一度ハマってしまうと、どんどん画面に引き込まれていきます!
イラクの元大統領サダム・フセインのドラ息子ウダイとその影武者を描いた物語。独裁者の息子であることを笠に着て好き勝手やりたい放題のウダイに対し、理性が崩壊しそうになる影武者の葛藤が秀逸。演技、人物描写など、ドキュメンタリーかと錯覚させられるほどリアリティ抜群!
人の価値とは、絶体絶命の危機に陥った時にどんな行動を取るかで推し量れるものではないでしょうか。9.11のテロリストにハイジャックされた旅客機の乗客たちが紡ぎだす緊迫の実話。この映画ほど「愛してる」が重くずっしりと響く作品はないかもしれません。
生から死へと向かう道はたしかに一本道ではありますが、その道を通る人たちは途上で出くわすさまざまなドラマに翻弄され、紆余曲折を繰り返しながら目的地へと向かっていく。人生とは、来た道を振り返り見つめ直すためのものではないことに気づかされる作品です。
忘れたい記憶を本当に忘れることなんてできっこない。不快な記憶は振り切らず、受け入れてこそ安息は訪れる。これを理解できて初めて、人間らしく生きられることに気づかされる作品です!