デーヴ

(1993年 / アメリカ)

大統領にそっくりなデーヴは1日限りの替え玉を演じる。しかし、その日のうちに本物の大統領が脳卒中で倒れてしまい、ホワイトハウス生活が延長されることに。始めのうちは言われるがままに動くマスコットでしかなかったが、本物の大統領にはない温かさと誠実さで次第に人々を魅了していく…。

アメリカ大統領に夢を託せるか

80年代、90年代に少年時代だった僕が夢中になって観ていたアメリカ映画ってこんな感じだったなと懐かしみながら見てました。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とか「インディー・ジョーンズ」とかのSF、アドベンチャー、シュワルツェネッガーのアクション、それに「ホーム・アローン」とかのコメディ。挙げればきりがないけど、こういう映画って本当に夢がたくさん詰まっていた。僕が若かったからというわけでは決してなく。

パソコンも携帯もない頃だったから、少年時代の僕にとって娯楽はテレビ、漫画、カードゲームだったけど、その中でも「映画」の存在感、影響力は圧倒的でした。今でこそ、タイムワープとか異世界との遭遇なんて完全にフィクションと割り切れるけど、当時は本気で映画の主人公と一緒に冒険してた。マイケル・J・フォックスやハリソン・フォードに本気で憧れていた。それはいま見返してもきっと同じ気持ちになれると思います。

この映画もそういう年代につくられたもの。一般人が突然業界の大物やセレブリティと入れ替わるというストーリーは割とありふれてて、ドタバタ劇に終始してまとまりのない終わり方になることが多いけど、これは違いました。ハチャメチャな行動で笑いを取りながらも(あんまり笑えなかったけど)、誰が人を守るべきか、誰が国を守るべきかを行動で示すようになっていた。アメリカ映画には政情を世相したのが多くこれもそうだと思うけど、やっぱり当時のアメリカ映画らしい夢が詰まっていたと思います。

いまの映画ってアクションやCGに凝るばかりで、泣きどころは小さい子供を出せばいいなんて考えてのではないでしょうか。大人になって子供の頃見ていた(この映画は初見)映画を見返して感動できたら、それは自分の子供にも見せたい映画と言えるのだと思います。



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