
僕は風船が怖くてたまりません。空高く浮かんでいるのはいいんです。細長い尻尾を付けた楕円形が優雅に風に揺られながら、ゆらゆらと宇宙に吸い込まれるように天を目指して上昇していっている姿を見る分には問題ないんです。むしろ、そういう時の風船は好きです。のらりくらりと風まかせに舞っているのがとても楽しげで、それでいて羨ましくもあって、気がついたら消えて見えなくなるまで見つめていたりします。そう、空高く浮かん...[続きを読む]
忘れ去られた頃合いの映画を観ることが生きがい。すでに語り尽された旧作映画をいまさらながら評論するエッセイ集です。