カテゴリー別アーカイブ: 伝記

大統領の執事の涙

「執事」って一体どんな仕事をする人のことなのでしょうか。僕は実際に執事の仕事をしている人を見たことはないので、ドラマやアニメを通じてのイメージをいうと、召使とか使用人といったところでしょうか。大企業の重役とか昔からの名家に仕えて、主人のスケジュール管理や来訪者の取次などをこなす人のこと。いつもタキシードでキメていて、家政婦や乳母がするような家の清掃とか子供の世話とかせず、江戸時代の家老職のような感...[続きを読む]

最後のマイ・ウェイ

いつか僕が自分の人生を振り返るコメントを求められたとしたら、なんと答えるでしょう。たぶんですが、「まぁ、こんなもんだったんじゃないでしょうか」とか「あまり人生の良し悪しなんて意識することがなかったのでコメントしようがないですね」みたいな曖昧な返答に終始するのではと思います。でも、これは人生で成功を収め、良いフィニッシュを迎えようとしている場合に限ります。いまのままでコメントを求められたとしたら(そ...[続きを読む]

ゲーテの恋 ~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~

「ひと思いに出かけてしまって、ほんとによかったと思っている。人間の心なんて、へんなものだね、君。ぼくがこれほどにも愛していて離れがたく思っていた君とわかれて、しかも朗らかにしていられるんだから。むろん君にはゆるしてもらえるだろうね」。この出だしからスタートする『若きウェルテルの悩み』は、1774年の初版以来、恋破れた青年の誰もが手に取り、そして誰もが共感した悲恋小説の古典として全世界で知られていま...[続きを読む]

ナチスが最も恐れた男

この映画の主人公マックス・マヌスという人物のことを知っている人が、この日本でどれほどいるでしょうか。第二次世界大戦時、ナチス・ドイツによって占領されたノルウェーでレジスタンス活動を行った伝説的英雄とのことなのですが、僕は彼のことはまったく知りませんでした。ただ、これは別に恥じ入ることではなく、日本では専門家を除いて知っている人は皆無と言っていいと思います。歴史の教科書に出てきた記憶はないし、エジソ...[続きを読む]

マンデラの名もなき看守

アパルトヘイトとは何かについて調べてみました。アパルトヘイトはアフリカーンス語で分離や隔離という意味を持つ言葉で、南アフリカ共和国で施行されていた白人と非白人を区別する人種隔離政策とのこと。この白人というのが支配層であるイギリス系住民のことであり、非白人とは要するにそれ以外の人種に属する人たちのことです。それ以外とは、言うまでもなく原住民である黒人、カラードと呼ばれた混血、インド人、アジア人のこと...[続きを読む]

マイケル・コリンズ

国の英雄とは、他国に支配された中で民衆を率い独立を勝ち取った、あるいはその端緒となった指導者のことを指すケースがほとんどだと思います。ほかにも、世界的に有名なサッカー選手やノーベル賞受賞者、世界中の教科書にも載っている芸術家なども英雄たる資格はあるでしょうが、文化的偉勲よりも、圧制から祖国を解放したという事実のほうが本当の意味での「英雄」と言えるでしょう。何しろ、英雄が英雄たりうる理由というのは、...[続きを読む]