カテゴリー別アーカイブ: な行

25年目の弦楽四重奏

日本にいるときはクラシックコンサートにはまったく足を運ばない僕ですが、ヨーロッパではそれぞれの国ごとに聴きに行ってました。いや、日本人が演奏するクラシックが嫌いなわけでなく、なんとなく日本本来の音楽ではないから気分が乗らないため、わざわざ聴きに行くまでもなく、海外の有名なオーケストラのCDを聞けば十分だと思っているからです。そんな僕がなぜヨーロッパでは足繁くクラシックコンサートに通ったのか。それは...[続きを読む]

21グラム

人体を構成する臓器の中でもっとも重要なものは何かと聞かれたら、おそらく誰もが「心臓」と答えるのではないでしょうか。お酒を大量に飲む人だったら肝臓、糖尿病を患っている人だったら腎臓といった感じで、人によって意見は分かれるかもしれませんが、命に直結した臓器と言えば心臓というのは異論のない共通認識だと思います。心臓は全身に血液を循環させるポンプの役割を担っている云々という理屈を抜きにしても、また身の危険...[続きを読む]

日本のいちばん長い日

この映画は、1945年8月14日の深夜から15日にかけて、一部の陸軍省幕僚と近衛師団参謀が中心となって起こした「宮城(きゅうじょう)事件」を基にした作品。はて、宮城事件とは……。終戦間際、それも皇居が舞台のクーデターということで、これほどの大事件を日本人として知らないはずはないと言いたいところですが、正直僕は知りませんでした。学校の歴史の授業では近現代史まで時間的に足りないため、この事件も大東亜戦...[続きを読む]

日輪の遺産

1938年(昭和13年※支那事変の翌年)6月、文部省は「集団的勤労作業運動実施ニ関スル件」を通牒。学生・生徒は夏季休暇の始期終期その他適当な長期休業中に、中等学校低学年は3日、それ以外は5日の勤労奉仕することを義務付けらました。兵士として出征したため男手の足りない農家に出向き農事、家事、清掃、修理をしたり、防空施設や軍用品に関する簡易な作業などが主な内容でした。この時期における勤労作業の対象は、主...[続きを読む]

長ぐつをはいたネコ

「あれ? こんな話だったっけ?」。この映画を観て、僕がまっさきに漏らした言葉。と言っても、本来のストーリーを正確に記憶しているわけではないのでネットで調べてみたら、この映画と共通しているところはネコが長靴(ブーツ)を履いているということだけでした。さすがに、幼児向けの映画ではないのでオリジナルをそっくりそのまま描くことはしていないことはわかりますが、別にタイトル合わせなくてもいいのではと思ってしま...[続きを読む]

ノーカントリー

いまはもう読まなくなってしまいましたが、僕はかつて「名探偵コナン」のファンでした。アニメはたまにという頻度でしたが、コミックのほうは50巻くらいまでは集めていて、好きなエピソードは何度も読み返していたものです。ただ、最初の2、30巻くらいまでは熱を入れて読んでいたのですが、だんだんとマンネリ気味になってきたせいか、読み進めるにも倦怠感がのしかかってきて、最後のコミックを買う頃にはかなり惰性的となっ...[続きを読む]

ニック・オブ・タイム

「時間を盗むことはできない」。言うまでもなく当然のことですが、劇作家、特にシナリオライターと呼ばれる人にとっては、このフレーズが逆説的に作用します。現実の世界において時間は盗めない、しかし作劇においてはストーリーの進行、つまり時間の経過を視覚的に伝えるために、「時間を盗むことはできない」という常識を覆す必要が出てくるからです。具体的にはどういうことでしょうか。たとえば、シーンが切り替わる瞬間、夜空...[続きを読む]

ナチョ・リブレ 覆面の神様

僕は学生時代、大のプロレスファンで、テレビ中継をかかさず観たり実際に観戦に足を運ぶことがよくありました。当時のメジャー団体は全日本プロレスと新日本プロレスのふたつで、それぞれファイティングスタイルに違いが異なり、前者が守勢的で玄人向け、後者が攻撃的でエンターテイメント性という色分けがはっきりとなされていました。当然、プロレスファンの間でも全日派、新日派で分かれていたのですが、僕は初め全日だけで新日...[続きを読む]

ニコラス・ケイジのウェザーマン

大作と呼ばれるハリウッド映画出演作を数多く持ち、日本でも人気が高いニコラス・ケイジ。彼が出演する映画は、必ず話題作として取り上げられ、その少なからずがヒットするわけですが、僕はどうしても彼のファンになれません。もちろん、僕は彼と直接会ったこともないし、遠くから彼の素顔を拝んだことすらありません。彼のファンの大部分がそうでしょうが、僕と彼との関係は映画の出演者とその視聴者であるに過ぎず、彼については...[続きを読む]

ナイロビの蜂

国連合同エイズ計画(UNAIDS)の世界エイズデー最新報告書「Results」によると、2011年末現在における、世界のHIV陽性者数は3400万人。そのうち、サハラ以南アフリカでは、改善されたとはいうものの69%を占めているのが現状で、とりわけ新生児の感染や子供の新規HIV感染は著しい現象を示しています。では、なぜサハラ以南アフリカでHIV感染が集中してしまったのか。諸説ありますが、伝統的な男性...[続きを読む]

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