僕の記憶が確かなら、007シリーズの映画を観たのは今回初めてです。これまで観ることがなかったのは、別に007が嫌いだったからでもスパイものが苦手だったからでもなく、単に食指が伸びなかったからであります。007がスパイものの金字塔だってことは百も承知していますが、スパイをメインに、あるいはスパイ活動をテーマとした扱った映画など星の数ほどあり、わざわざ総本山の門を叩く必要を感じなかったというわけです。...[続きを読む]
アルゴ
なんの予備知識なく見始めたのですが、だんだんとストーリーを追っていくうち、「あ、これは政治的な宣伝用の映画なのかな」と思うようになりました。この映画は、イランのアメリカ大使館が占拠された実話を基につくられているのですが、アメリカがイランを敵性国家として圧力をかけているこのタイミングで上映、しかもアカデミー賞まで取らせてしまうなど、何らかの政治的意図を勘ぐらざるを得ないのは当然でしょう。 そう...[続きを読む]
シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム
学生時代、シャーロック・ホームズの小説はたくさん読みました。パイプをくゆらせながらロッキングチェアに深く腰掛け、「ワトソン君…」なんて余裕たっぷりに話しかけながら名推理を展開する。その鋭い着眼点と深い洞察力で、難解な事件を次々と解決していくさまは、読んでいて痛快であり、当時は僕も一端のシャーロキアンでありました。だから、小説から得た鮮烈な印象によりホームズのイメージはいまでも確固たるものであり、い...[続きを読む]