バトルシップ

太平洋戦争開戦時、世界三大海軍国の一翼を担っていた日本は、保有トン数と隻数ではアメリカ、イギリスに劣っていましたが、兵員の士気・練度はその両国を凌駕しており、事実上の世界最強海軍国家だったと言われています。日清、日露と立て続けに大国の海軍を打ち破ってきた連合艦隊は、長門、陸奥、大和の超弩級戦艦、旧式ながら高速戦艦として恐れられた金剛型といった超攻撃型の艦隊を揃える一方、零戦に代表される戦闘機、雷撃...[続きを読む]

バーレスク

音楽番組などで歌手やバンドのことを指す時、「アーティスト」という言い方をするのをよく耳にします。アーティスト、つまり芸術家のことですが、何か違和感を感じるのは僕だけでしょうか。たしかに音楽はアート(芸術)の一形態であって、それを形作るボーカリスト、ギタリスト、ベーシスト、ドラマー、キーボードプレイヤー、ディスクジョッキーなどのことをアーティストと呼ぶのは理屈の上では間違っていないのかもしれません。...[続きを読む]

潜水服は蝶の夢を見る

小学校3年生か4年生の頃だったかと思いますが、友だちと小学校近くの公園で遊んでいた時のことです。その公園は野球場とサッカー場が併設された地区でいちばん大きな公園で、休日はもちろん、平日でも放課後ともなればそこかしこから子供の甲高い声が聞こえてくるほど人気の場所でした。そこはどちらかと言うと運動場がメインで、ブランコやジャングルジムなどの遊具が設置されたエリアはやや離れた小高い丘の上にありました。と...[続きを読む]

運動靴と赤い金魚

かなり前の話ですが、とあるポータルサイトが運営しているブログの登録者限定で、期間中にできるだけたくさんのアクセスを集めると、上位10位以内に入ったサイトの運営者に景品を進呈するという企画がありました。アクセスソースは何でもよく、とにかくいかに多くのユーザーを引っ張ってこられるかが問われたため、大票田を持っている人は言うまでもなく、持ってない人も掲示板やQ&Aサイトなど幅広い層のユーザーが集まるウェ...[続きを読む]

ボーダー

「ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノという2大スターの豪華共演」。このキャッチコピーで心奪われた人は多いでしょう。それはなにも、以前から彼らふたりのファンだったかどうかは関係ありません。どんな映画でも単体で主役を張れる実力派俳優、往年の名作に出演して名優の称号をほしいままにした伝説的俳優など、誰もが知っている俳優がふたりも同じ作品に出演しているというだけで、無性にワクワクしてくるのは当然です。こ...[続きを読む]

ザスーラ

いま私たちが住んでいるこの地球に、まだ誰も足を踏み入れていない辺境の地はどれほど残されているでしょうか。ここで言う辺境とは、ジャングルの奥地にある手付かずの自然だとか、深海で営まれる未知の生態系だとかのことではなく、純粋に現代社会で詳らかになっていない文明や文化が息づいている地域のことです。よく地球最後の秘境などと称されるギアナ高地にしても、そういうキャッチコピーが付く時点で観光地化している証左で...[続きを読む]

私がクマにキレた理由

自分を変えたいときにまずやるべきこととして、大前研一氏が3つの要素を提示しています。曰く「1番目は時間配分を変える。2番目は住む場所を変える。3番目は付き合う人を変える」とのこと。時間配分を変えるとは無意味なことに費やしていた時間を有効なことに回すこと、住む場所を変えるとは自分にとって良い影響を受けられる場所に移ること、付き合う人を変えるとはなあなあの関係より刺激を与え合える人と親密になることだそ...[続きを読む]

シカゴ

シカゴという街は一度も訪れたことがないため、そのイメージとして、どうしても「マフィア」「ギャング」といった映画の舞台そのものを連想してしまいます。その主因が「アンタッチャブル」。密造酒をめぐってアル・カポネ一味とFBIが闘いを繰り広げる作品で、ラストで描かれるユニオン・ステーションでの乳母車の一幕は映画ファンならずともご存知なはず。こんなイメージしかないので、僕にとってシカゴとは今でも昼夜問わず銃...[続きを読む]

ハゲタカ

僕が大学受験をする際、全大学が掲載された分厚い本をめくりながら、どこに願書を送ろうかとかなり念入りに調べた記憶はありますが、どの学部にしようかと深く考えたことはありませんでした。学部の第一志望は国際関係、第二志望は法律で固まっており、受講できる講義の内容を精査(といってもどこも大差ありませんでしたが)するだけで、あとの焦点は大学選びに移っていきました。同級生もこのあたりは僕と同じような状態で、俺は...[続きを読む]

この道は母へとつづく

やはり母ものは鉄板です。我が子を思う母のいたいけな姿を活写した作品はもちろん、まだ小学校にも上がっていない幼い子供が見ず知らずの土地まで母親を探しに旅をする話だなんて、聞いただけでも涙腺が緩くなるのが人情というものでしょう。なぜそんなにまで母親をテーマにした作品が受けるのかというと、要するに、ほとんどの人が幼児期に感じた「母性愛」というものが大人になってもずっと記憶に残っているからです。では、その...[続きを読む]