「愛情遮断症候群」という病気があります。愛情を感じることができない環境で育った子供がかかってしまう病気のことで、睡眠時に分泌されるべき成長ホルモンが分泌されず、発達や成長に遅延が生じてしまいます。言語の遅れや緩慢な動作、乏しい表情、知的発達の遅延、睡眠障害といった症状が生じ、十分な栄養も与えられていない場合も多いため栄養失調状態にあることも少なくないとのことです。この原因はもちろん親の言動にありま...[続きを読む]
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SMOKE
大学生の頃、日記を付けていました。日記と言っても、毎日欠かさずその日あったことを記述していくスタイルではなく、特別思うことがあったり、書き留めておきたいことがあった時に綴るという程度だったので、本来の意味での日記ではなかったのかもしれません。でも、当時(いまでも)かなり内向的で疑心暗鬼に苛まれ続けていた僕にとって、書き殴ってはどんどん増えていくノートの数が慰めのように思えていたことは事実。初めこそ...[続きを読む]
イントゥ・ザ・ワイルド
大学時代にすべきことでしなかったことは数えきれないほどありますが、その中でも特に、せずに後悔していることが「できるだけたくさんの人に会うこと」でした。後悔と言うか、そもそもいまでも人見知りが激しく人とは距離を置かないと不安で仕方ない僕が、たとえ大学時代に戻ってもやり直せるはずがないので、女々しい無い物ねだりと言うべきなのでしょうが、とにかく未練を残していることは事実です。まぁ、そういった現実的なこ...[続きを読む]
マイケル
アメリカだけに限りませんが、生まれた子に、宗教にゆかりのある名前をつけるケースが多くあります。たとえば、キリスト教徒だったらジョン、ピーター、ポール、マリア、キャサリン、モニカといった具合。あと、イスラム教徒とかヒンドゥー教徒にも同じ傾向があると思われます。いずれも信仰心の厚い、あるいは宗教が国柄を表している(こんなふうに表現してしまうのも日本人らしいのですが)国または地域だからこその風習だと思い...[続きを読む]
ロスト・イン・スペース
僕が小学生の頃、学研の「学習」と「科学」という月刊誌がありました。学校でテストの点数を上げるための問題集ではなく、国語や算数、理科などに対する興味をもたらすための学習補助的な雑誌だったと記憶しています。販売スタイルは、本屋などで店頭販売するではなく、学研のおばさんなる委託販売員が購読者宅に直接届けるというもの。うちでも、いつの頃だったか購読するようになり、最初のうちは「学習」と「科学」両方とってい...[続きを読む]
バンテージ・ポイント
ひとつのストーリーを別々の登場人物の視点で見せて、いくつかに小分けされた断片的なエピソードをラストで集約させるっていう手法は割とよくありますね。 時系列がバラバラだったり、物語が結果から発生へと逆に進行していったりする実験的な作品とは異なり、直線的な時間軸という原則を壊さず、その瞬間ごとに各々が直面した状況に筋を通しラストへと持っていかなければならないんだから、言うまでもなく脚本家の力量が問...[続きを読む]