いつも利用しているスーパー、時間つぶしで入った喫茶店、帰り道に通る商店街、本当は行きたくない歯医者など、その空間に足を踏み入れてふと気づくことがあります。それはBGMの存在です。お店の業態によって存在感はまちまちで、ひたすら軽快でテンポの良い曲を流すところもあれば、これでもかと言うくらいがなり立てるようなところもあり、また教えてくれないと気づかないくらいひっそりと流しているところもあったりします。...[続きを読む]
カテゴリー別アーカイブ: ら行以下
ラスト・キング 王家の血を守りし勇者たち
ノルウェーについて知っていることと問われれば、ただ漠然と「ヴァイキングの国ですね」と答えるくらいの知識しかありません。そのヴァイキングにしても、粗野で暴力的な海賊という偏った印象しか持ち合わせておらず、そのためどことなく感情的で攻撃的な国民性なのかなと一方的に思い込んでいる次第です。歴史においては言うに及ばず、地理についてもほとんど無知識で、北欧の一国であることは間違いなく認識しているものの、スウ...[続きを読む]
ラスト・オブ・モヒカン
「モヒカン」と聞くと条件反射的に、北斗の拳のヒャッハーを思い浮かべるのは僕だけではないはず。そう、「ヒャッハー!!」と奇声をあげながら我が物顔に改造バイクを暴走させるチンピラのことで、身の程知らずにもケンシロウに手斧を振り上げるも一瞬で秘孔を突かれて死ぬ雑魚キャラ。こいつらはだいたい、頭の両脇を刈り込み中央部だけ高々と伸ばした髪型、つまりモヒカン刈りをしています。そのため、印象が強烈すぎ、本来指し...[続きを読む]
ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
ある日突然、まったくの一文無しとなってしまい、生活の見通しが立てられなくなったらどうするか、考えてみました。まずお金がないことにはどうすることもできないので、なんとかしてお金を工面する手段を講じるでしょう。衣食住、人間が普通の生活をしていくのに最低限必要なものですが、これらを確保するためには当然ながらお金が必要だからです。その中でも、「食」はもっとも重要な要素であり、何らかの栄養を摂取し続けない限...[続きを読む]
ランナウェイ・ブルース
電車の中で吊り革につかまっているとき、夜眠れないまま横になっているとき、銀行で整理券の番号を呼ばれるまで待っているとき、気づかないうちに考え事をしていたということがしょっちゅうあります。そういうときの考え事って、たいてい自分にとって都合がよく痛快な冒険譚、サクセスストーリーであることがほとんど。普段は口答えのできない上司に正論をズバッと言ってひれ伏したり、公共の場で秩序を乱している柄の悪い連中を...[続きを読む]
ワン チャンス
この映画は、生まれて持った才能があるのに自信が持てず開花させずにいた男性が、ようやく掴んだ最後のチャンスをものにしてスターになるというストーリー。一発逆転とか大どんでん返しとかいうような、棚からぼたもち的な奇跡ではなく、主人公のポールはオペラを歌いこなす類まれな才能を持っていて、さまざまな紆余曲折を経てそれが大一番で認められるという展開です。僕はもちろんオペラのことなんてまったくわからないですけど...[続きを読む]
ワイルド・スピード EURO MISSION
学生時代に自動車の免許を取得して以来、ほとんど運転をしていないので、いまや完全にペーパードライバーです。マニュアルで免許取りましたが、もうすっかり感覚を忘れてしまっているので、オートマチックしか運転できないでしょう。鉄道・地下鉄が網の目のように走り、月極の駐車場料金がべらぼうに高い東京に移り住んでからは、車の運転からさらに遠ざかる傾向にあります。さすがに地元に戻ったり地方に引っ越す必要ができた場合...[続きを読む]
ラン・ローラ・ラン
いつだったか、会社で受けた健康診断がきっかけでランニングを始めたことがあります。当時は、バランスの取れた食事をとったり定期的に運動をすることもなかったので、腹が出っ張ってきたなという自覚はあったのですが、「肥満」と診断されたことにはさすがに面食らいました。そういえば、これまで何の気なしに履けていたズボンが、しゃがみ込むと腹部や太ももあたりに窮屈を感じるようになったり、長年の定番だったお気に入りのシ...[続きを読む]
ローン・サバイバー
強靭な肉体と精神力を持ち、高度に訓練された特殊技能と最先端の装備を駆使して、困難な任務を遂行するエリート集団。これこそが「特殊部隊」と言えましょうか。テロリストによるハイジャックや要人誘拐、爆破テロなどに対処するため、機敏かつ隠密に行動できるスペシャリストの必要性が高まっていることから、彼らに対する期待はいっそう高まっているのが現実。そんな彼らですが、飲み会の席はもちろん、家族や友人に「俺、あのチ...[続きを読む]
[リミット]
もし僕が主人公のポールと同じ状況に置かれたとしたら、犯人に対する憎悪を滾らせるとかどうやって脱出するかを思考する以前に、もう全身でパニクってそのまま悶え死んでしまうのではないかと思います。僕は狭いところが極度に嫌いで、この映画のように、大人ひとりがぴったり収まるくらいの狭い空間に閉じこまれたと想像するだけで、背筋がさっと冷たくなり身震いしてしまいます。箱のつなぎ目の隙間から外の光が見えたり、人の話...[続きを読む]