泥棒とか盗賊というのは常識的に考えれば憎むべき反社会的な存在でありますが、テレビドラマやアニメでは「弱い者の味方」として描かれることがよくあります。彼らがやっていることは「人の物を盗む」ことに違いないのですが、それが結果的には弱い立場の人たちを救うことになるから主役になり得るというわけです。不当にぶん取られた資産を取り戻してくれたり、過度に税を取り立てる為政者から金品を盗んで民衆に還元したり、こう...[続きを読む]
タグ別アーカイブ: ドン・チードル
ソードフィッシュ
「ハッカー」って聞くと、もうそれだけで犯罪のにおいが鼻をくすぐり、身構えてしまいます。たとえヤフーしか見ないというネットライフを送っているとしてもです。そんな感じなので、僕らが想像する一般的なハッカー像というのは、おおよそのところで一致しているはず。政府や大企業のシステムに侵入して情報を盗んだり、金融機関が管理するクレジットカードのデータベースを操作して不正使用したりして、コンピュータネットワーク...[続きを読む]
ホテル・ルワンダ
1990年から1993年にかけて、フツ族の政府軍とツチ族のルワンダ愛国戦線との間で行われたルワンダ内戦。93年8月のアルーシャ協定により和平合意が成立しましたが、その後もルワンダ愛国戦線の侵攻による北部地域におけるフツの大量移住や、南部地域のツチに対する断続的な虐殺行為などを含む紛争は続きました。そんな中、94年4月、フツ族のハビャリマナ大統領を乗せた飛行機が何者かによって撃墜されたことが引き金と...[続きを読む]
クラッシュ
アメリカ合衆国には多種多様な人種が住んでいるということは、いまさら言わずもがなの話。では、どのような人種構成になっているかというと、まず圧倒的多数を占めているのが白人で74%(2006年American Community Surveyより。以下同)。2番目に多いのがヒスパニック系で14.8% (メキシコ系64%)。そのうち43%が西部の州に住み西部の人種の27%ほどを占めていますが、一部のヒスパ...[続きを読む]
再会の街で
嫌なことは誰だってすぐに忘れてしまいたいと考えるものです。その度合が深ければ深いほど簡単に忘れ去ることなどできず、いつまでも脳裏にこびりついて後々まで悪影響を及ぼし続けます。かなり昔の出来事で完全に綺麗さっぱり忘れたものと思い込んでいたことでさえ、何かの拍子に突然思い起こされることもあり、まるでヘビに睨まれたカエルのごとく戦慄で全身が動かなくなったり、体中の骨という骨が強力な酸で溶かされてしまった...[続きを読む]
フライト
この映画について、単なる航空機墜落パニックものではないことは知っていました。一歩間違えれば乗客乗員全員死亡という大惨事になりかねなかった状況の中で、英雄的な判断と操縦で被害を最小限に抑えたウィトカー機長をめぐって展開される、法廷での激しいやり取りがメインに描かれるのだろうと思っていました。しかし、この映画の主題はそのどちらでもなく、アルコール中毒と薬物依存に苛まれているウィトカーの内面をえぐり出す...[続きを読む]