ミニミニ大作戦
(2003年 / アメリカ)天才窃盗犯・チャーリーらは金塊強奪を計画するが、裏切った仲間に金塊を奪われてしまう。1年後、チャーリーは仲間を集め、金塊奪還の大胆な作戦に出る。
軽自動車が全世界普及の暁には
全軽自協(全国軽自動車協会連合会)のまとめによると、2013年度の新車販売累計台数354.3万台のうち、軽自動車の販売台数は140.8万台(39.7%)と、ほぼ4割のシェアを占めているとのこと。一世帯あたりの軽自動車普及率も全国平均で51.8%を記録するなど、軽自動車は単なる自動車の一形態ではなく、自動車そのものと言っていいのかもしれません。で、2014年の国内新車販売台数ランキングをチェックしてみると、1位タント(ダイハツ)、2位アクア(トヨタ)、3位フィット(ホンダ)、4位プリウス(トヨタ)、5位N-BOX(ホンダ)、6位ワゴンR(スズキ)、7位デイズ(日産)、8位N-WGN(ホンダ)、9位ミラ(ダイハツ)、10位ムーヴ(ダイハツ)といった具合に、軽自動車がずらりとランクインしていることからも、日本における軽自動車の存在感は圧倒的なものがあると言えそうです。
ちなみに、軽自動車が普及している都道府県TOP10は、佐賀、鳥取、島根、山形、長野、福井、沖縄、新潟、山梨、宮崎だそうで、特に1位の佐賀県は普及率100.2%で、一家に一台以上あることになるんですね。その理由としては、こうした地方ではバス路線や鉄路廃止が進み、道路事情と相まって軽自動車は無くてはならない交通手段になっていることが挙げられています。
このように、日本では当たり前に道路を走っている軽自動車。さぞかし全世界でも存在感を発揮していることと思いきや、なんと軽自動車の規格は日本のみのもので海外では販売されていないんだそうです。日本からごく一部の車種は輸出されていますが、ほとんどは車両サイズやエンジンが変更されているようで、逆に海外からの輸入車では、日本の軽自動車規格専用に設計された車種というのはないようです。まったく知りませんでした。では、なぜ日本で軽自動車という規格が生まれ爆発的に普及したのかというと、1)島国の日本は国土が小さく資源も乏しい。2)街の道路は狭くガソリン代も高い。3)中部や南部の大都市に人口が集中している。といった理由が挙げられ、こうした条件のもと、燃費が良く、狭い道でも運転しやすい軽自動車が日本では最適なのだという結論が導き出されます。
また、日本では「小さくて軽く、コンパクト」なものが重視されるという日本人ならではの情緒も加味されていることも事実でしょう。最近では、軽自動車の価格における訴求力や燃費の良さ、経済性や環境に優しい点などが海外で注目され、新興国をはじめ世界的に軽自動車のニーズが高まりつつあるとのことです。日本では排気量660CC以下の自動車を軽自動車と定義していますが、そこまで小型化しないにしても独フォルクスワーゲンや伊フィアットが1000CCクラスの小型車を新たに製造販売しており世界的にも競争が激しくなりつつなっています。
この映画は、クルマ音痴の僕がパッと見、「軽自動車だ」と即断してしまうローバー・ミニが主人公の作品です(登場する小型車がすべてローバーではないようですが)。で、先に説明したように、日本以外で軽自動車は作られていません。よって、ローバー・ミニも軽自動車ではなく、排気量1000CC以上はあり小型自動車の分類に入るとのことです(このあたり音痴ゆえ確実ではありませんが)。いくら僕が「あれは軽自動車ですよね」と食い下がったところで規格は規格なので定義がくつがえることはありませんが、それにしてもあの大型で箱型の自動車が多く走り、トランスフォーマーのコンボイみたいなのが煤煙をモクモクさせながら突っ走っているアメリカの大通りで、ローバー・ミニがちょこちょこ走っていると、さすがにミニカーに見えて仕方ありません。アメリカ人の目からすると、単なる道楽だとしか見てもらえず、「実用的」には程遠いんでしょうね。なにせ、小型車なので収容できる人数や荷物の量が限られるという観点からしてアウトなのでしょう。
さて、この映画がミニに注目したのは、どの点でしょうか。カーチェイス、路地裏、逃走といったキーワードである程度察せられるとは思いますが、ローバー・ミニのようなクルマだらけの日本に住む人間としては、小型自動車(軽自動車)にそんな偏見をいただいてほしくないというのが本音です。ま、映画なので割り切って楽しめればそれでいいのですけど。