フライト・ゲーム

(2014年 / アメリカ)

航空保安官のビルは、警備のために乗り込んだ旅客機の中で匿名の脅迫メールを受け取る。やがてひとりの乗客が殺害され…。

飛行機の座席は窓側か通路側か

フライト・ゲーム

飛行機に乗るとき、座席は必ず通路側を指定するようにしています。理由は単純で、トイレに行くときなど通路に出る際、隣の席の人にどいてもらう必要がないからです。窓側だったり真ん中の席だったりすると、「すみません」と断りを入れて通れるだけのスペースを開けてもらわなければならないし、体の大きな外国人だったら一旦通路に出てもらわなければならないし、最悪隣の席の人が熟睡していたらトイレに行くことをしばらく我慢しなければなりません。また、僕は軽い閉所恐怖症なので、通路側以外だと狭い空間に押し込まれた感覚になるし、食事の際前座席のトレーが下ろされていると落ち着かなくなることもあります。飛行機に乗るようになって間もないころは、珍しくて外の景色を楽しむために窓側を指定していましたが、飛行機慣れしてからは景色は気にならなくなり、逆に窓側のデメリットが際立つようになりました。長距離路線だとなおさら。もうずっと通路側オンリーです。もちろん、エコノミークラスでの話であり、ビジネスクラスだとこういったことはないでしょうね。利用したことないけど。

そんな飛行機の座席にこだわりがある僕ですが、つい最近窓側の洗礼をもろに受けてしまいました。パリから東京に帰る便でのことです。その便は中東のドーハを経由する乗り継ぎ便だったため、パリからドーハ(約6時間)、ドーハから東京(約13時間)といった経路を飛ぶことになります。というわけで、パリの空港でチェックインするとき、座席を両方とも通路に指定しなければならなかったのですが、係員に手荷物が特別扱いとなる旨のことを言われた瞬間、そのことをすっかり忘れてしまったのです。指定がないと必ず窓側が割り振られます。気づいたのは搭乗直前でありもう後の祭り。それでも、ドーハまでは快適でした。窓側ではありましたが真ん中は空いていて、通路側の人は話しかけやすい感じの人(これ重要)だったので2回くらい快く僕を通してくれました。僕は食後に必ずコーヒーを頼むのですぐトイレが近くなるのですが、特に控えようと思うことはありませんでした。6時間だったし十分に機内上映の映画も楽しめたし、何より窓外のドーハの夜景を堪能できたのは想定外の幸運でした。窓側も悪くないななんて感慨を深めたものです。

問題は東京までのフライトでした。今度は満員だったので言うまでもなく通路までの2席は埋まっています。それでもパリからの快適気分そのままに、映画観まくってればそのうち到着するだろうと高をくくっていました。でも、気づいてみれば、真ん中の人はイヤホンやUSBケーブルなどでバリケードを築いてる感じで、通路側の人は毛布を被って爆睡しています。嫌な予感……。案の定、催してきて一度はどいてもらってトイレに行きました。わざわざケーブルを抜いてもらって爆睡中起きてもらって。エコノミーなのでお互い様なのは暗黙の了解なわけですが、それ以上にこちらが気を使う。こんな状況にもかかわらず愚かにもコーヒーを飲む始末なので、またトイレが恋しくなってきます。さすがに二度も頼めない。隣の人もちょくちょくトイレ行くようなら言いやすいんですけど、通路側の人も含めて一度も席を立たない。絶体絶命というわけではないので我慢しよう。映画4、5本観て、やばいもう限界というところでようやく到着。着陸時の外の景色なんて眼中にあるはずありませんでした。

このとき感じたのが、奥の席に押し込まれて逃げ場がないという恐怖。大げさかもしれませんが、特に僕のような閉所恐怖症(たとえ軽度でも)の人にとっては、一方向しかない逃げ場を塞がれているという圧迫感は相当応えます。窓の外が明るく晴れていたらまだ安心できるのですが、真っ暗だったり窓を締める指示が出たらもう最悪。機内だけでも密閉空間なのに、自分の席だけさらに小さい空間に突っ込まれた気分にさせられます。そのとき感じたのが、「なにか起きたらこのまま逃げられず、真っ先に犠牲になるだろう」という焦り。たとえ自分とは関係ないトラブルが起きたとしても、巻き込まれ酷い目に遭わされるという無力感。この映画のように、飛行機もののサスペンスを観るたび、僕自身が逃げ場のない窓側の席に詰め込まれ、僕自身もサスペンスの一部となって疑心暗鬼に襲われます。特に、主人公も含めて犯人の可能性があるという描き方は、めちゃくちゃトイレに行きたいのに、隣の席で超巨体の外国人がトレーを開いてそこに覆いかぶさるようにして爆睡していると同じくらい、絶体絶命の窮地に陥ったと錯覚してしまいます。とにかくもう窓側はこりごりです。


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