カテゴリー別アーカイブ: サスペンス

ミッション:インポッシブル

小さい頃、父が見ていたのに便乗して、よく海外ドラマを観ていました。当時、日本テレビだったか、日曜の夜10時頃からアメリカの人気ドラマが放送されてて、それを録画して翌日の月曜の夕食どきに観るのが恒例となっていました。その番組は、向こうで人気のドラマをリアルタイムで放送するのではなく、やや旬の過ぎた作品を流すというスタイルで、中高年がターゲットだったのかなと思います。まぁ、その頃はインターネットはおろ...[続きを読む]

ボーン・アイデンティティー

僕はふとしたことで物忘れをすることが多く、いまさっきまでやろうとしていたことが「あれ、何だったっけ?」となることがよくあります。ネットであれ調べてみよう、本屋にプログラミング関連の本を探しに行こう、スーパーに靴下を買いに行こう、銀行のATMでお金を下ろしに行こう、なんてことをしょっちゅう忘れます。ひどい時には、ちょっと先の計画はもちろんのこと、考えついた数秒後に忘れるなんてことも珍しくありません。...[続きを読む]

ザ・シューター/極大射程

ひと言に銃といっても、さまざまな種類があることはよく知られたこと。日本に暮らしている以上、現実にそれらの区別ができるほど銃を目にする機会はほとんどないわけですが、そんな中でも一番認知度が高いのは、「拳銃」と呼ばれるもの。ピストルや短銃、ハンドガンなどと呼ばれることもあり、日本では警察官や特別な公務員だけが公に携帯することが許されています。海外では護身用として一般市民が所持することは珍しくないようで...[続きを読む]

ニック・オブ・タイム

「時間を盗むことはできない」。言うまでもなく当然のことですが、劇作家、特にシナリオライターと呼ばれる人にとっては、このフレーズが逆説的に作用します。現実の世界において時間は盗めない、しかし作劇においてはストーリーの進行、つまり時間の経過を視覚的に伝えるために、「時間を盗むことはできない」という常識を覆す必要が出てくるからです。具体的にはどういうことでしょうか。たとえば、シーンが切り替わる瞬間、夜空...[続きを読む]

es[エス]

大学の一般教養授業で、たいていの学生(特に文系では)が受講する「心理学概論」。本屋に行くと「気になる人の心を読む方法」とか「出世するための心理学」みたいなタイトルで並んでいるのをよく目にするため、それに影響されて豆知識を得るようなイメージで受講する学生が多いんじゃないかと思います。かくいう僕もそうでした。一般教養は1年次2年次の単位稼ぎとしての意味合いが強いので(くどいようですが文系では)、選ぶに...[続きを読む]

[リミット]

もし僕が主人公のポールと同じ状況に置かれたとしたら、犯人に対する憎悪を滾らせるとかどうやって脱出するかを思考する以前に、もう全身でパニクってそのまま悶え死んでしまうのではないかと思います。僕は狭いところが極度に嫌いで、この映画のように、大人ひとりがぴったり収まるくらいの狭い空間に閉じこまれたと想像するだけで、背筋がさっと冷たくなり身震いしてしまいます。箱のつなぎ目の隙間から外の光が見えたり、人の話...[続きを読む]

THE WAVE ウェイヴ

一般に、ひと握りの指導者層が大衆をひとつの目的のために動かすことを「洗脳」といったり「マインドコントロール」といったりします。第二次大戦期のファシズムや旧ソ連のスターリン、最近だとオウム真理教などが思い浮かびます。僕は心理学の専門家ではないのでどちらも同じような意味合いと認識しているのですが、調べてみるとどうも違うようです。「洗脳」とは、いままでの自己アイデンティティを破壊し、まったく新しい自分を...[続きを読む]

ナイロビの蜂

国連合同エイズ計画(UNAIDS)の世界エイズデー最新報告書「Results」によると、2011年末現在における、世界のHIV陽性者数は3400万人。そのうち、サハラ以南アフリカでは、改善されたとはいうものの69%を占めているのが現状で、とりわけ新生児の感染や子供の新規HIV感染は著しい現象を示しています。では、なぜサハラ以南アフリカでHIV感染が集中してしまったのか。諸説ありますが、伝統的な男性...[続きを読む]

CUBE キューブ

すごく安直な連想ですけど、この映画を観てルービックキューブを思い出さない人はいないのではないかと思います。一面が3×3の正方形で構成された立方体のパズルは、1980年の日本での発売以来、爆発的な人気を獲得。正規品だけでも発売から8か月の間に400万個以上という売り上げを記録したそうです。この現象は日本だけでなく、もちろん世界的にもブームとなり、世界キューブ協会(WCA)という組織が作られ、2年に一...[続きを読む]

16ブロック

一度付いてしまったイメージが完全に固定してしまい、どんなに他の人格を演じたとしても払拭することができない俳優は、パッと思いついただけでも結構いるものです。僕が真っ先に思い浮かぶのは、故渥美清さん。もう芸名が「車寅次郎」だったとしてもまったく違和感のないほど、「渥美清=フーテンの寅さん」というイメージは絶対的。渥美さんが「男はつらいよ」以外に出演している作品をいくつか観ましたが、どこをどう見ても問答...[続きを読む]