カテゴリー別アーカイブ: は行

バーレスク

音楽番組などで歌手やバンドのことを指す時、「アーティスト」という言い方をするのをよく耳にします。アーティスト、つまり芸術家のことですが、何か違和感を感じるのは僕だけでしょうか。たしかに音楽はアート(芸術)の一形態であって、それを形作るボーカリスト、ギタリスト、ベーシスト、ドラマー、キーボードプレイヤー、ディスクジョッキーなどのことをアーティストと呼ぶのは理屈の上では間違っていないのかもしれません。...[続きを読む]

ハゲタカ

僕が大学受験をする際、全大学が掲載された分厚い本をめくりながら、どこに願書を送ろうかとかなり念入りに調べた記憶はありますが、どの学部にしようかと深く考えたことはありませんでした。学部の第一志望は国際関係、第二志望は法律で固まっており、受講できる講義の内容を精査(といってもどこも大差ありませんでしたが)するだけで、あとの焦点は大学選びに移っていきました。同級生もこのあたりは僕と同じような状態で、俺は...[続きを読む]

プレステージ

新興宗教の勧誘や高額羽毛布団などの悪徳商法、高額配当を謳った投資詐欺、最近では振り込め詐欺など、世の中には人を騙すことで利益を得ようという勢力が後を絶ちません。騙す側の手口としては、一般的な社会常識をもってすれば簡単に嘘だと見破れる案件を、巧みな話術で信じこませて金を出させるといったところでしょうか。でも、いくら圧倒的に話術が巧みで、ターゲットの弱みや泣きどころを突いた誘導をしたところで、普通に考...[続きを読む]

バンク・ジョブ

株や投資信託、不動産、為替取引などの知識を持っていない人が、一日にして大金持ちになることができる方法といったら、単純に考えて強盗しかありません。それも、大金持ちの家に忍び込んで金庫破りをするか、銀行を襲撃して女性行員を脅して札束を紙袋の中に入れさせるといった力技に頼るくらいしかないでしょう。ほかにも、大企業幹部の子息を誘拐して身代金を要求するとか、爆破予告をして大勢の住民を人質にとって行政を屈服さ...[続きを読む]

パフューム ある人殺しの物語

街を歩いていて欧米人とすれ違った瞬間、鼻をつく香水の強い匂いに眉をひそめることがよくあります。日本人が好む、控えめでほのかに香るタイプではなく、まるでお風呂用洗剤みたいな、およそ外出向けとは思えないその激臭に目眩がするような不快感を催すこともしばしばです。もちろん、欧米人のすべてがそういった強い香水を身にふりかけているわけではないのですが、匂いの強弱はあれど、彼らからは何かしら香水の匂いを感じます...[続きを読む]

パリ、ジュテーム

パリを舞台に「愛」を描いたオムニバス形式の作品。僕はパリには行ったことがなく、エッフェル塔とか凱旋門とかの観光名所ならまだしも、何区の何公園とかどこどこの有名レストランだとか言われてもちっともわかりません。しかし、全編パリで撮影されたこの映画がなぜ「愛」をテーマにしたかについて何となくわかる気がするし、ロケ地をニューヨークやロンドンなどではなくパリにしたのかもわかる気がしています。なぜかというと、...[続きを読む]

ビートルジュース

小学校1年か2年の頃だったと思いますが、当時仲の良かった友だちと「死んだらどうなるんだろうね」という話で盛り上がった記憶があります。所詮子どもが話題にするなので、死ぬときの苦しみや残していく人たちに対する惜別の情などを俎上に上げることなどするはずもなく、ただひたすら死後の世界についてだけ、あることないこと面白おかしく話していただけ。死後の世界、つまり死んだら天国に行くのかそれとも地獄に落ちるのか、...[続きを読む]

ホワイトハウス・ダウン

本来自分はまったく無関係なのに、たまたまその場に居合わせただけで一国の命運を左右する事態に巻き込まれていく。アクション映画ではよくある設定ですが、こうした事態が現実として発生し、その行く末があなたに委ねられたとしたら、もうポップコーンを片手に客観的に見てはいられなくなります。どういうシチュエーションを想定するかにもよりますが、たとえば異星人の襲来、巨大地震の発生、サイバーテロで国家機能が完全麻痺な...[続きを読む]

パラダイス・ナウ

テレビやネットを見ていると、よく「イスラエルで自爆テロ、○○人が死亡」とか「イスラエル軍がパレスチナ自治区に報復攻撃」などというニュースに遭遇します。彼の地から遠く離れた日本に住んでいる僕らには、どこぞの国同士が戦争しているのかなどと思ってしまいますが、「パレスチナ問題」と呼ばれるこの争いは国同士ではなく、国を持つ者と持たない者との争いです。エルサレムを中心としたパレスチナという土地ではもともとア...[続きを読む]

ぼくのエリ 200歳の少女

今回初めてスウェーデンの映画を見ましたが、まず驚いたのはスウェーデン人の肌が見事なまでに白いということ。白いというより透明度60%くらいの曇りガラスのようであり、別の言い方をすれば生気のない青白さという表現もできるかと思います。雪の白さが肌の色より濃く見えたほどですから。では、なぜスウェーデン人の肌は透き通るように美しいのか。これは単純に、スウェーデンは高緯度に位置し年間を通じて日照時間が少ないと...[続きを読む]