カテゴリー別アーカイブ: さ行

人生に乾杯!

僕が中学生だった頃、家のすぐ隣に設置されていた農協の無人ATMが強盗の被害に遭ったことがあります。その日はテスト対策のため遅くまで勉強していて、家で起きているのは僕ひとり。それに、僕が生まれ育った地域はこれといった商業施設のない住宅街だったので、近所も真っ暗で誰もが寝静まっていた時間帯です。そんな中、夜中の1時頃だったか、外から耳慣れない外国語が聞こえてきました。なんだろうと思って参考書から目を離...[続きを読む]

スリー・キングス

ここ数年で、テレビや新聞といったマスメディアに対する信頼はガタガタとなってしまいました。原因は言うまでもなくインターネットの普及によるもので、日本を貶める報道をしている、日本または日本人の活躍を報道しない、自分たちが儲けるためだけに情報を歪曲している、といった怒りの主張が連日ネット空間を飛び回っています。抗議はネットの中だけにとどまらず、NHK受信料契約の解約、スポンサーへの電凸、繁華街でのデモ行...[続きを読む]

ソーシャル・ネットワーク

日本でインターネットが普及し始めた90年代には、すでにネット上で日記を交換し合うサービスはありました。僕も名前は忘れましたが、マイクロソフトが提供していたサービスに登録していた記憶があり、いま考えてみれば、これが人生初のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)体験だったかもしれません。ですが、当時学生だった僕はブラウザを立ち上げて自身のページを更新することより、単純に友人同士でEメールを交換し...[続きを読む]

女帝 [エンペラー]

中学、高校の頃、中国の歴史を描いた小説をよく読んでいました。吉川英治の『三国志』をはじめ、陳舜臣の『小説十八史略』、横山光輝『項羽と劉邦』など。どれも読んだら止まらなくなるほど面白く魅力的で、特に三国志は劉備が諸葛亮を得てからの展開がダイナミックかつ感動的で、文字通り寝食を忘れて読みふけっていた記憶があります。こうした傾向は同世代でも共通で、クラスにひとりかふたりは「超」が付くほどの三国志マニアが...[続きを読む]

ジュマンジ

この頃のロビン・ウィリアムズがすごく好きです。何が好きって、やはり何と言っても彼の子供好きしそうな笑顔。当時はまだ40歳台だったかと思いますが、働き盛りでパワフルな壮年というより、両腕を広げて孫を抱き寄せる好々爺のイメージがダブルのです。日本人の俳優に例えると誰になるのかちょっと想像つきませんが、そういった全国的に有名な人を思い浮かべるより、自分の身近な人を重ねあわせたほうがしっくりくるような、そ...[続きを読む]

世界最速のインディアン

小学5年生の頃だったと思いますが、僕はクラスの中で1、2を争うほどの俊足の持ち主でした。体育の50メートル走のタイムではつねにトップクラスだったし、サッカーなどの球技をするときも足の早さが重視されるポジションを推されていました。そんな折、秋の運動会に向けてクラス会が開かれ、リレーのアンカーを決める話し合いが持たれました。そこで、僕を含めた足の早い生徒が何人か候補にあがったのですが、その際、担任の教...[続きを読む]

最強のふたり

僕は、生真面目で面白みのない人間と思われることが多いです。実際そうです。僕自身、それを自覚しています。飲み会でお酒を飲んで騒ぐのが大嫌いで、顔合わせ会であれ忘年会であれ二次会は理由をつけて参加しないし、昼休みに同僚と連れ立って一緒に食事に行くこともないし、仕事の合間に雑談をしてリラックスし合うことが気の利いたことだと思わない。だいいち、冗談を言うことが苦手、というより嫌いです。誰かから僕に面白いこ...[続きを読む]

シルミド

敵(対立)の存在が明確であればあるほど、物語は面白くなります。僕が脚本の勉強をしていた時、ストーリーを構築する上でまず初めに習ったことが、主人公との対立構造をはっきりと描くことでした。対立を軸に据えることで、主人公の人生における葛藤を生じさせることになり、これにより彼に足枷が加えられたり逆境となって立ちはだかったりする。誰の人生でも選択肢を迫られる葛藤を経験しているので、対立構造が明確なほど主人公...[続きを読む]

ザ・ダイバー

外国産映画においてタイトルの邦語訳がすごく重要なのは言うまでもないですが、本当にその作品が訴えようとしていることをベタながらも的確に表しているのならまだしも、まったく的はずれだったり、一時期流行った「ライフ・イズ~」とか「陽だまりの~」とかいう便乗商法の作品には虫唾が走ります。いわゆるアニメでいうところの「OP(オープニング)詐欺」というやつでしょうか。ストーリーは大したことないデジャブ感満載のも...[続きを読む]

スラムドッグ$ミリオネア

僕が中学・高校の頃は、主要民放各局がそれぞれ看板クイズ番組を持っていて、僕も夢中になってみていた記憶があります。それも、アタック25とかの一般向けじゃなくて、クイズ研究会とかに所属しているプロが出場していた本格派なやつです。どれもレベルが高くて、クイズの解答はまったくわからなかったけど、いまでいうアキバ系っぽい人たちが超高速で早押しして正解してたのを面白く見てました。 その後、バブルが崩壊し...[続きを読む]