バックドラフト

バックドラフト

僕が育った地域というのは、山を切り開いて均した台地の上に造成された住宅地。地名に「ニュータウン」こそ付きはすれど、小規模スーパーと小学校、郵便局、駄菓子屋があるだけの、まったく開けていないところでした。放課後の遊びは、同級生と球技をしたりファミコンをやることのほか、未開拓の山の中に分け入って冒険したりするくらいが関の山。ファミリーレストランが徒歩圏内にあって電車に乗って帰宅するなんていう環境がとて...[続きを読む]

コラテラル

コラテラル

地方から東京に出てきて、これだけたくさんの人がいるのだから、きっとすぐに仲の良い友だちができる。田舎では町内会やら地元の行事やらのしがらみがあって、一度でもボイコットすれば即座に村八分にされたけど、東京に出てくればそんな面倒なんてなく、無理に深入りしてこない心地良い人間関係を持てる。こんな思いを抱いて上京してくる人は結構いるんじゃないかと思います。つまり、閉鎖的で因習的な地方から、開放的で寛容な東...[続きを読む]

長ぐつをはいたネコ

長靴をはいたネコ

「あれ? こんな話だったっけ?」。この映画を観て、僕がまっさきに漏らした言葉。と言っても、本来のストーリーを正確に記憶しているわけではないのでネットで調べてみたら、この映画と共通しているところはネコが長靴(ブーツ)を履いているということだけでした。さすがに、幼児向けの映画ではないのでオリジナルをそっくりそのまま描くことはしていないことはわかりますが、別にタイトル合わせなくてもいいのではと思ってしま...[続きを読む]

ターミナル

ターミナル

空港は僕の好きな場所のひとつです。空港は、ただ単に、飛行機への搭乗手続きを済ませるためだけに利用する場所ではありません。個人的な楽しみを味わう時間を見越して早めに到着するようにしています。特に何かをするわけではありません。「空港にいる」という実感を噛みしめるためです。以前は、チェックイン(搭乗手続き)を早めに済ませてしまうと到着した空港で荷物が最後のほうに出てくるという説を信じていた時期もありまし...[続きを読む]

ビッグ・リボウスキ

ビッグ・リボウスキ

「リボウスキ」という苗字について、どういう出自を持つものなのかわかりませんが、話の文脈からしてアメリカでも相当珍しいものなのだろうと推測されます。なんとなく、ロシアか東欧あたりにルーツがありそうという察しはつきますが、スミスとかジョンソンとかウィリアムズとかが大手を振るっているアメリカで、リボウスキ姓はいたとしてもかなりマイノリティとなるでしょう。ところで、作品の中で、マジョリティに属するジョン...[続きを読む]

ザ・コール 緊急通報指令室

ザ・コール 緊急通報指令室

幸いなことに、僕はこれまで110番をしたことがありません。「幸い」というのは、言うまでもなく、警察を呼ばなければならないほどの緊急事態や犯罪に巻き込まれたことがないということ。単純に平穏無事な一生を送っているという解釈も成り立ちますが、ひとつ間違えるとアウトローに転落するリスキーな挑戦を避けてきたり、周りの目を気にしてできるだけ粛々と身を縮こませながら生きてきたという、消極的で迎合的な人物像も浮か...[続きを読む]

パンズ・ラビリンス

パンズ・ラビリンス

キリスト教でいうところの光と影とは、つまり「天使」と「悪魔」(あるいは天国と地獄)のことです。天使とは、伝令や使いの者であり、神のお告げを伝える役割、また人間が歩む道すべてで彼らを守るよう神から命じられている存在です。ミカエルとラファエルがよく知られていますが、天使はその役割において9つの位階に分けられています。守護天使や大天使(ミカエル、ラファエル、ガブリエル)など。その中でも、人間に天使以上の...[続きを読む]

トゥルー・ロマンス

トゥルー・ロマンス

債務の支払を一定期間だけ猶予されていることを「モラトリアム」といいますが、そこから転じて、社会的責任を一時的に免除あるいは猶予されている期間のことを指したりします。特に、就職活動前の大学生に当てられることが多く、さまざまな挑戦を通して生きがいや働きがいとは何かを模索し、自分自身のアイデンティティを確立していく期間のことを言ったりします。本格的に社会人になる前にアルバイトや人との出会いを通じて社会勉...[続きを読む]

アポカリプト

apocalypto

「マヤ文明」と聞いてピクリと反応する人は、おそらく専門家かオカルト愛好家くらいしかいないのではないかと思います。マヤ文明は、紀元前から16世紀にかけて、メキシコ・グアテマラ・ベリーズ・ホンジュラス・エルサルバドルにまたがる「中米」に成立。低地地帯に一種の宗教的都市形成が生じ、巨大なピラミッド型の大神殿や礼祭場、裁判所、市場などが建造されたそうです。たしか、世界史の教科書に出てきた記憶はあるのですが...[続きを読む]

あなたになら言える秘密のこと

thesecretlifeofwords

何かについて思い悩んだり、壁にぶつかったとき、人はどういう行動を取ろうとするでしょうか。これは考えるまでもなく、「助けてほしい」と思うはずです。いや、俺は自分ひとりですべてを解決してきたから、他人に助力を頼むなんてありえない、という人もいるでしょう。でも、ここで僕が意図しているのは、自分でできる範囲を完全に超えていて絶望のあまり立ち往生してしまっている状況のこと。どんなに難解な暗号も瞬時に解けてし...[続きを読む]