ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ

ある日突然、まったくの一文無しとなってしまい、生活の見通しが立てられなくなったらどうするか、考えてみました。まずお金がないことにはどうすることもできないので、なんとかしてお金を工面する手段を講じるでしょう。衣食住、人間が普通の生活をしていくのに最低限必要なものですが、これらを確保するためには当然ながらお金が必要だからです。その中でも、「食」はもっとも重要な要素であり、何らかの栄養を摂取し続けない限...[続きを読む]

僕はラジオ

知的障害者と聞くと、つねに「あーあー、うーうー」と唸っていて、突然癇癪を爆発させて暴れだすという負のイメージが抜けきりません。僕が小学校、中学校の頃にこういう生徒がいて、幾度となくそうした様子を目撃してきた経験が強く作用しているからでしょう。結局彼らは、健常者と一緒に学校生活を送ることができず養護施設に入れられたということも、僕が彼らを理解することができない要因のひとつだったかと思います。先生の指...[続きを読む]

セッション

僕も多少楽器演奏の心得があり、趣味でギターを弾いています。ギターと一口に言ってもさまざまな演奏手段やシチュエーションがあるわけですが、僕は完全にソロギター(メロディと伴奏の両方を演奏するスタイル)。ちょっと洒落たお店で流れているギターだけのBGMを想像してもらえればと思いますが、クラシックの名曲やディズニーの定番曲、ゲーム音楽や最近のポップミュージックをアレンジしたものなどを好んで演奏しています。...[続きを読む]

ブロークバック・マウンテン

身近な人から突然「同性愛者」だとカミングアウトされて、何の抵抗なく受け入れられる人というのは、正直なところ少数派ではないかと思います。たとえ、その人の好意の対象が自分ではなかったとしても、いままでと同じように接することを無意識のうちに避けようとし、彼から好かれぬよう警戒を強めてしまうのではないでしょうか。別に、これは同性愛者を差別しようとしているわけではなく、男女間では異性愛が当然の環境にいた人た...[続きを読む]

「僕の戦争」を探して

「ビートルズ」ってだけで、目を爛々と輝かせながら何時間も延々と語れたり、ゆかりのグッズに囲まれて生活をしていたり、カラオケで彼らの曲しか歌わないという人の話はよく耳にします。いわゆるマニアと呼ばれる人たちのことですが、そこに偏屈な信奉者、蒐集家といったニュアンスはほとんどなく、どことなく高尚な雰囲気すら感じてしまいます。ビートルズはポップミュージックという大衆的なジャンルのミュージシャンではあるの...[続きを読む]

グランド・イリュージョン

僕はテレビでしかイリュージョンを見たことないため、リアルに目の前で展開されて得られる感動というものはついぞ味わったことはありません。テレビで見ても面白いと言えば面白いのですが、どうしても編集されているという読みが働いていしまって感興は巻き起こらず、なんとなく「ふーん」と鼻を鳴らしながら見終えるというのがいつものパターンです。見せ場のシーンでは思わず唸ることもありますが、どうせ「なーんだ」と笑ってし...[続きを読む]

ハドソン川の奇跡

この映画の下地となった、2009年1月のUSエアウェイズ1549便不時着水事故は、当時ニュースで大々的に取り上げられていたので、僕もよく覚えています。事故の原因や経緯以上に、乗客や一般人が携帯のカメラで現場の写真を撮ってツイッターなどのSNSで投稿したことで、これまでの報道の在り方を根底から覆すきっかけとなった事故として強く記憶に残っています。テレビよりも早く第一報を送ったのは、近くを航行していた...[続きを読む]

人生はビギナーズ

「人生はやり直せる」「いつでもリセットして、一からまったく新しい人生を歩むことができる」。なんて、よく聞くセリフだと思います。人生のどこかで大きな挫折に打ちひしがれたり、自殺したいくらい絶望的な状況に追い込まれたりしている人に対して、励ましの意味でかけてあげる常套句と言っていいかもしれません。人によっては、気休めに聞こえたり、その場限りのお情けに思われたりしますし、かなり深みのある人生経験者じゃな...[続きを読む]

セレステ&ジェシー

恋人同士、永遠に相思相愛でいられると確信し合っているとしたら、それは本当に幸せなことだと思います。いえ、別に皮肉ではなく、僕らは、たとえ付き合い始めは猛烈に惹かれ合っていたとしても、時がたつにつれて熱も冷め、やがてカップルが解消されていくということを繰り返してきているからです。特に10代の若い頃は、相手を選ぶ際、外見がいいとか、スポーツ万能だからとか、服装がオシャレだとか、甘い言葉に酔い痴れたとか...[続きを読む]

天空の蜂

東日本大震災による福島第一原発事故がきっかけで、日本全国で「原発は危険」というイメージが固定し、各地で反原発運動が起こりました。「脱原発」とか「原発やめろ」とか書いたプラカードを掲げたりシュプレヒコールをあげながら繁華街を練り歩くデモ隊の様子が、よくテレビで報道されていたことを覚えています。この動きが盛り上がっていくにつれ各地の原発が停止に追いやられ、その結果、火力発電所が休眠だったものも含めてフ...[続きを読む]