はやぶさ 遥かなる帰還

「仕事が楽しくない」と思うことがしょっちゅうあります。いや、しょっちゅうどころか、四六時中そう思っているかもしれません。もちろん、にやけ笑いが出てしまうほど「楽しい」と思う時もありますが、たいていは「楽しくない」と思っており、ムスッと仏頂面をしながら仕事をしていることをつねに意識できてしまっている始末です。理由はわかっています。「任された仕事に真剣になれない」「自分のスキル不足で作業がはかどらない...[続きを読む]

クローサー・トゥ・ザ・エッジ マン島TTライダー

僕が初めてバイク(というか原付)を買ったのは、大学1年の夏。学校が急勾配の山上にあり、自転車での昇り降りが億劫になっていたため、一念発起してなけなしのお金を握りしめバイク屋へ。新品の原付には手が届かないことに愕然とする中、ちょうど体のいい中古が売りだされているのを発見。YAMAHAの何ていう車種か忘れましたが、多少の使用感はあれど全体的にきれい、しかも5万円で予算的にも想定内だったので購入に踏み切...[続きを読む]

センター・オブ・ジ・アース

「新しいことをしたい」「やってみたいことがある」「自分を変えたい」。これらは誰しもが思っていることであり、僕自身もその例にもれず常日頃考えていることであります。このように、一見ポジティブで前向きに人生を考えているように思えはしますが、実際胸の内は共通しているもの。それは「時間がないから」とか「仕事で忙しいから」とか「まだ時期じゃないから」とか、さまざまに理由をつけて「でも、ちょっと……」と留保をし...[続きを読む]

ナイロビの蜂

国連合同エイズ計画(UNAIDS)の世界エイズデー最新報告書「Results」によると、2011年末現在における、世界のHIV陽性者数は3400万人。そのうち、サハラ以南アフリカでは、改善されたとはいうものの69%を占めているのが現状で、とりわけ新生児の感染や子供の新規HIV感染は著しい現象を示しています。では、なぜサハラ以南アフリカでHIV感染が集中してしまったのか。諸説ありますが、伝統的な男性...[続きを読む]

コン・ティキ

太平洋の北端のハワイ諸島、西南端のニュージーランド、東端のイースター島の3点を結ぶ、三角形の海域にある島々を指す、ポリネシア。そこに住むポリネシア人のルーツについては、本作の主人公であるトール・ヘイエルダールが唱えた南米からの植民説がありますが、1975年にハワイで建造された双胴の航海カヌー、ホクレアによる数々の実験航海や、言語学的・人類学的な各種の検証により、現在では東南アジア説が定説となってい...[続きを読む]

ムード・インディゴ~うたかたの日々~

恋に色を付けるとしたら何色でしょうか。よく順風満帆の恋には「バラ色の恋」、逆に片思いの辛い恋には「ネズミ色の恋」とか、その恋のシチュエーションによっていかようにも変容するものなので、つねに一定した色が付けられるわけではありません。でも、心躍るような恋には美しい花や絶景の形容が付き、どん底まで落ち込むような恋は雨雲や灰の色にたとえられることは、万国共通だと思います。一時の燃え上がりが落ち着いた状態、...[続きを読む]

ターミネーター4

「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といった人気ゲーム作品は、新作が出るたびに、Ⅰ・II・III・IV…といった具合に数字でタイトル付けされていくのが一般的です。これをナンバリングタイトルといいます。「シリーズ作品の派生ではない主作品」「題名に数字が入ってる作品」「正当な続編」を意味する和製英語だそうです。これに対し、番号が付いていないタイトル、たとえば「ドラゴンクエストモンスターズ」...[続きを読む]

ウォーム・ボディーズ

本来は人間らしい感情など持ち得ないゾンビが、ある日食糧とするために襲撃した人間の女の子に恋をして、感情的な温かさを取り戻していくというストーリー。そもそもゾンビとは、死体が蘇り死体のまま行動する化け物のことであり、生きる人間の対照としてホラー映画では定番のキャラクターとなっています。そんな温かさの欠片も感じさせないゾンビが、ある女の子と出会って人心地ついて、気づかぬうちに体温(ゾンビの体温は気温と...[続きを読む]

セブン・イヤーズ・イン・チベット

ヒマラヤ山脈の北側に広がる、平均海抜4,500mのチベット高原。「世界の屋根」と呼ばれるその高原地帯では、牧畜や農耕をなりわいとし、主に仏教を信仰するチベット人が600万人ほど暮らしています。そこには「チベット」という独立国家が存在していました。しかし、現在、国家としてのチベットは存在しません。1950年秋、成立間もない中華人民共和国は、チベット東部チャムド地区への攻撃を皮切りに、本格的な侵攻を開...[続きを読む]

ランボー/怒りの脱出

激しい感情に身悶えしたとき、必ず観たくなる映画があります。もちろん、その感情の種類によって観る映画は異なり、羽が生えたように心躍るような気分だったらこれ、失意のどん底に落とされた時はこれ、のんびりと何も難しいことを考えたくない時はこれ、といった感じで、実際に観るかどうかは別として特定の映画がパッと浮かんでくるものです。そんな中で、腹の底から湧き出てくるドス黒い怒りに打ち震えたときに観たくなるのが、...[続きを読む]