クロワッサンで朝食を

この映画は、エストニア人女性がパリに来て家政婦をするというストーリーなのですが、内容はともかく、エストニアという名前くらいしか聞いたことのない国のことに強く興味を引かれました。エストニアは、フィンランド湾に面するバルト三国の中で最も北の国であり、南はラトビア、東はロシアと国境を接っしています。面積は九州本島の1.23倍で、人口は134万人、1人あたりのGDPも26000ドルといいますから、小規模な...[続きを読む]

アバウト・シュミット

僕が定年を迎えるまであと数十年はあるのですが、それでも薄ぼんやりとですが、定年退職したらどんな毎日になるのか想像してみることがしばしばあります。そんな時はたいてい、もう仕事したくなくなって会社に行かず家で好きなことしていたいと自暴自棄になる時がほとんどなのですが、それと同時に実際定年退職しても日々の生活における充実感というのは得づらいものだろうとも感じたりします。過去、最長でまるまる1年間仕事をし...[続きを読む]

イカとクジラ

いまでも記憶に残っている怖い絵があります。僕が小学生低学年だった頃のこと。学校の定期健診で虫歯が発覚した時は、住んでいた地区に歯医者がなかったため、バスに乗って市街地まで出て治療しにいかないといけませんでした。歯医者に行くのは嫌だったのですが、家しかない住宅街から出て駅前の繁華街に行くというのは一種の冒険であり、デパートやバスターミナル、マクドナルドなどのお店を目にするだけでもワクワク。それで、治...[続きを読む]

CUBE キューブ

すごく安直な連想ですけど、この映画を観てルービックキューブを思い出さない人はいないのではないかと思います。一面が3×3の正方形で構成された立方体のパズルは、1980年の日本での発売以来、爆発的な人気を獲得。正規品だけでも発売から8か月の間に400万個以上という売り上げを記録したそうです。この現象は日本だけでなく、もちろん世界的にもブームとなり、世界キューブ協会(WCA)という組織が作られ、2年に一...[続きを読む]

テッド

思ってもいなかった意外な事実に直面してトキメクことを「ギャップ萌え」とか「ギャップ受け」と言うことがあります。一般的な商品に対してでも対人関係でも外見と内面が別人だったり別物だったりする場合に用い、もともと持っていたマイナスのイメージがその意外性や多面性からプラスの方向に覆されることを言い表すことがほとんどです。これはれっきとした人間の心理作用によるもので、行動心理学の専門家・目白大学の渋谷教授は...[続きを読む]

逃走車

南アフリカ共和国の最大都市ヨハネスブルグは、世界で最も治安の悪い犯罪都市のひとつであることはご存知かと思います。その背景は、やはり貧困。アパルトヘイト廃止後、職を求めて国外からの不法入国者を含む多くのアフリカ系とカラードが一挙に流れ込みましたが、黒人に対する差別的な教育環境のため彼らは職を得ることができず、結果として彼らの一部が犯罪へと走ることとなり治安は急速に悪化しました。これを嫌った白人富裕層...[続きを読む]

善き人

普段何気なく、特定の人を指して「あの人、いい人だよね」と言うことがあると思います。職場でも、学校でも、行きつけのコンビニでも、馴染みの喫茶店でも、親切で気が利いて感じのいい人なら誰でも「いい人」と表現できるし、このひと言でその人がどういう人であるかをズバリ言い表せる便利な言葉だと思います。それに、他人から自分のことをそう言われたとしたら、嫌味に受け取ったり穿った見方をすることがないかぎり、少なくと...[続きを読む]

ネイビーシールズ

軍事組織において、一般的な軍事作戦とは性質を異にする困難な作戦の遂行のために特別に編成された「特殊部隊」。比較的小人数による部隊行動で後方攪乱、破壊工作(暗殺を含む)、戦略的攻撃、対テロ作戦、情報収集、心理戦、人質救出などを主な任務としています。人員確保については、その国の軍隊や治安機関に籍を置く志願者から選抜される形式になっていますが、その専門性と性質上、個人の能力とチームワークの両方が求められ...[続きを読む]

シャイン

かつて追い求めて結局手にすることができなかった夢を自分の子供に託そうとすることは、子を持つ親にとって当然の心理なのだそうです。特に、子供の中に自分の姿を見てしまう場合、それが顕著になるとのこと。たしかに考えてみれば、自分が夢を追い求めている過程であの時こうしておけばよかったという後悔や反省は必ず持っているはずなので、いくらでも取り返しの利く子供に当時の自分自身を重ね合わせ、その子が本気かどうかにか...[続きを読む]

クロッシング

「脱北者」とは、定義のうえでは北朝鮮の政治体制や生活環境を苦にして同国を脱出する人のことで、その動機は政治的な理由での亡命から生活苦による国外への逃亡へと変質しているとのことです。亡命ルートはというと、38度線(韓国との軍事境界線)は衛兵や高圧電線、地雷原に阻まれているため主流ではなく、中国との国境を流れる豆満江を渡り延辺朝鮮族自治州の朝鮮族に匿われるケースが多いとされています。首尾よく中国に“入...[続きを読む]